【イベントレポート】国内外のWeb3事業者が東京に集結!「WebX 2024」の様子をお届けします
2024年8月28日(水)〜29日(木)の2日間にわたり、ザ・プリンス パークタワー東京にて「WebX 2024」が開催されました。このWebX 2024は、世界中のWeb3事業者が東京に集結する一大イベントです。
メイン会場では、大企業からスタートアップ、公的機関まで約180社が出展。数多くの講演会やサイドイベントも開催され、本イベントの熱量はさながらWeb3業界にとっての祭典のようでした。
このWebX 2024では、我々NFT Mediaもメディアスポンサーを務めています。この記事では、実際に現地へ足を運んできたNFT Mediaの記者が、会場の雰囲気や最新トレンドをお届けします。
2回目の開催となったWebX
2023年に初開催されたWebXは、今年で2回目を迎えました。もともとは、Web3における世界と日本の情報格差をなくしたいとの思いから、株式会社CoinPostが立ち上げたイベントです。
2024年のWebXは300社以上の企業・団体がスポンサーに名を連ねており、アジア最大規模のWeb3カンファレンスとして開催されました。
- 開催日程:2024年8月28日(水)〜29日(木)
- 会場 :ザ・プリンス パークタワー東京
- 主催 :一般社団法人WebX実行委員会
- 出展企業:約180社
ここでは、WebX 2024において特に注目した5つのトピックスを紹介します。
各界のリーダーやWeb3の第一人者による講演
WebX 2024では3ヶ所のステージにおいて著名人による講演や対談が企画されており、その登壇人数は300名以上です。初日の開会式では、岸田総理大臣がビデオメッセージでWeb3に寄せる期待を語りました。
海外の著名人も来日しており、台湾の元デジタル発展部部長オードリー・タン氏も登壇。他にも、ブルーチップのプロジェクトとして有名な「Azuki」のファウンダーであるZagabond氏も登場しています。
WebX 2024の講演において頻繁にテーマとなったのが、「なぜWeb3を導入するのか」という点です。一過性のNFTブームが過ぎ去った現在において、Web3の使い方に関するモデルケースはそれほど多くありません。このような状況の中で、第一線で活躍するプレイヤーでさえも「Web3を活用する意義」を日々悩みながら模索しているという話がありました。
しかし、正解が見えない市場環境ではあるものの、それぞれの事業者はひたむきにプロジェクトを進めているようです。例えば、Azukiのプロジェクトではアニメ化が決定するなど、キャラクタービジネスが着実に前進していると説明されていました。
最新のサービスが披露された展示ブース
ブースエリアでは、180社を超える企業が自社のサービスを展示していました。メインホールだけでなく、通路にまでブースが並べられるほどの盛況ぶりで、射的のミニゲームを開催する企業もあり、場内は活気に満ち溢れていました。
ここでは、ブースエリアで特に注目した3つのカテゴリーを紹介します。
DAO発のWeb3プロジェクト
いくつかのブースでは、キャラクターやミーム文化を主軸としたDAOが出展していました。
ゲーム開発やキャラクターグッズ販売など、コミュニティの熱量を原動力として新たなプロダクトが誕生している様子でした。また、これらのDAOはWeb3スタートアップとの協業によって、コンテンツ展開を強力に推し進めているようです。
法人向けのWeb3ソリューション
2022年頃と比較して、法人向けのWeb3ソリューションはより高度な業務に対応できるようになっていました。例えばNFTの発行支援ツールであれば、マーケティング機能や既存ビジネスプラットフォームとの連動といった機能が強化されています。このような進化によって、Web3の社会実装がさらに近づいた印象を受けました。
Web3プラットフォームに関するサービス
オラクルやDePIN(分散型物理インフラネットワーク)など、ネットワークに関する展示ブースも目立ちました。
特にDePINは2023年末から注目を集めた技術であり、今回のWebX 2024では数社のサービスが展示されていました。まだネットワーク構築の途上であるものの、今後も注目すべき分野です。
このように、ブースエリアでの展示は「Web3の社会実装」へより近づいていると実感する内容でした。
エンタメやIP(知的財産)に特化した展示ブース
漫画やアニメ、ゲームなどのIPは、日本が世界に向けて勝負する上で重要な産業です。このエンタメジャンルを打ち出すべく、今回のWebX 2024ではエンタメやIP(知的財産)に特化した専用エリアが設けられていました。
IPの展示ブースで多かったのが、NFTを活用したキャラクタービジネスの事例です。NFTの保有によってファンも作品づくりに参加できるなど、「NFT×コンテンツ」のビジネスモデルが紹介されていました。
また、Web3スタートアップだけでなく、日本の大手版権元もブースを展示していました。今回のWebX出展を通じて、自社のIPコンテンツとWeb3の融合について模索しているようです。
この他にもアイドル育成プロジェクトが大型のブースを出展するなど、エンタメ領域ではWeb3の活用が着実に進行していると感じる内容でした。
国会議員が進めるWeb3政策の現状
WebX 2024では、「日本のWeb3戦略と展望」というテーマで現役の国会議員による講演も行われました。このセッションに登壇したのは、自由民主党のweb3プロジェクトチームで座長を務める平将明議員と金融調査会幹事長の越智隆雄議員です。
Web3政策について最前線で関与している両名からは、大きく分けて2つの内容が語られました。
国会議員のWeb3に対する認識の変化について
2018年頃までは国会議員の間でWeb3に対する拒絶反応があり、議論がなかなか進まなかったそうです。しかし現在では、web3プロジェクトチームに一定の裁量が与えられており、Web3政策を実現しやすい環境になってきたとのことでした。
暗号資産の税制について
暗号資産に対する申告分離課税の実現について、Web3業界から強い要望がある点は平議員としても認識しているそうです。ただ、実際に株や債券と同様の扱いになるまでには、さまざまなハードルがあるとのことでした。例えば「国民の資産形成につながるのか否か」など、総合的な要件を満たす必要があるそうです。
一方で、各国でビットコインをETFに組み込む流れがあり、「ETFに組み込まれたトークンは分離課税で、トークン自体は総合課税なのか」という新たな矛盾に関しても議論しているとのことでした。暗号資産のETF承認も、今後の展開に影響を与える可能性があるそうです。
このように、実際の政策に現れていない課題であっても、水面下では活発な議論が続いていると説明されていました。
100を超える多種多様なサイドイベント
WebX 2024の開催期間中には、企業やWeb3プロジェクトの主催するサイドイベントが開かれました。このサイドイベントもWebXの醍醐味であり、そのイベント数は100を超えるほどです。
サイドイベントの内容は、主催者によってさまざまです。ビンゴ大会からWeb3プロジェクトに対するAMA(質疑応答)まで、それぞれの組織が持つ個性を反映した企画になっています。
サイドイベントの終盤ではネットワーキングの機会も設けられ、業界の関係者たちが互いに親睦を深める場となりました。
おわりに
今回は「WebX 2024」の様子と最新トレンドをレポートしました。
2024年の現在では、大衆向けのニュースにおいて「Web3」という単語を耳にする機会はそれほどありません。しかしながら、水面下では世界各国のWeb3事業者が高い熱量を維持しながら、マスアダプションに向けた取り組みを続けています。また2023年頃と比較すると、業界全体の活気が蘇ってきているようです。
来年のWebX 2025は2025年8月28日(木)〜29日(金)の期間で、同じ会場であるザ・プリンス パークタワー東京において開催されます。日本国内にいながら世界のWeb3トレンドを体感できる貴重な機会であるため、次回のWebX 2025も見逃せません。
WebX Asia ウェブサイト:https://webx-asia.com/ja/
WebX 2024 公式X:https://x.com/WebX_Asia
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