オーストラリアの仮想通貨ATM「16倍」に急増|当局は警戒、取り締まりの動きも
オーストラリアで急増する仮想通貨ATM
オーストラリアにおいて仮想通貨ATMの設置数が増加傾向にあり、世界でもっとも早いペースで増えているとブルームバーグが8月30日に報じました。
仮想通貨ATMは、現金を入金することでウォレットに仮想通貨を受け取ったり、仮想通貨を売却することで現金を得られる機械です。規制などの影響で設置数には増減がありますが、おおむね世界各国で増加傾向にあります。
特に近年オーストラリアにおける仮想通貨ATMの設置数が伸びていると、ブルームバーグは指摘しました。オーストラリアの仮想通貨ATMの設置数は2年前には73台でしたが、直近で約1,200まで伸びました。2年間で16倍増加しており、世界でもっとも早いペースで増えている国になっています。
現時点で設置数はアメリカが最多で約3万台、次いでカナダが約3,000台、近年の伸びでオーストラリアが3位に位置しています。
ブロックチェーンの情報を分析する「TRM Labs」はオーストラリアにおける設置数の伸びについて、北米の事業者が事業拡大先を模索しており、その中にオーストラリアが含まれている点が設置数の拡大に繋がっていると推察しました。
ブルームバーグは、もう1つの要因としてオーストラリアのギャンブル文化を挙げました。オーストラリアは国民1人あたりのギャンブル損失額が世界最高で、賭けの対象として仮想通貨が取引されていると指摘しています。
当局は警戒、世界各国では取り締まりの動きも
オーストラリアで仮想通貨ATMが急増する一方で、当局は警戒を強めています。オーストラリア国税庁(ATO)の広報担当は、仮想通貨ATMのリスクに対して「テクノロジーを利用した犯罪はATOが焦点を当てている事案の1つである」と答えました。
オーストラリア連邦警察(AFP)は2023年3月に、マネーロンダリングや組織犯罪に関する声明を行いました。この声明では、仮想通貨ATMを経由するマネーロンダリングの一例について触れており、犯罪に使用されている実態を明らかにしました。
また、世界ではすでに本格的な取り締まりに動いている国も見られます。直近では2024年8月に、ドイツ当局が国内の仮想通貨ATMを大規模に取り締まり、14台のATMと4,000万円相当の現金を押収したと発表しています。
世界でもっとも仮想通貨ATMが設置されている米国でも規制の影響などを受けて、直近数ヶ月ではATMが閉鎖される事例が相次いでおり、2024年7月には約200台の仮想通貨ATMが減少しました。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.51円)
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Souce:ブルームバーグ報道
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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