ビットコインにリスク・シグナル点灯?NVTゴールデンクロスによる弱気予測が浮上

ビットコイン(BTC)価格はここ数日非常に不安定であり、アナリストたちのさまざまな憶測を呼んでいます。その中でNVTゴールデンクロスに注目したアナリストが、先行き不安な見解を述べています。

NVTゴールデンクロスが示す危険信号

クリプトクアント(CryptoQuant)の暗号資産(仮想通貨)アナリストであるブラーク・ケスメシ(Burak Kesmeci)氏は、NVTゴールデンクロスの数値が下がり続けている状況を危惧しています。
NVT(Network Value to Transactions)ゴールデンクロスは、ビットコイン市場の健全性を表す主要な指標であり、その時点におけるビットコイン価格のトップとボトムを示すものとしてよく知られています。

この数値は、ネットワーク時価総額をその日の総取引額で割り、移動平均を適用することで算出されます。この数値の長期的移動平均線を、短期的移動平均線が上回ったポイントがゴールデンクロスです。過去の実例から、この数値が2.2ポイントを超えるとその時点のトップとされ、-1.7ポイントを下回るとボトムと判断されます。

ケスメシ氏が公開したリポートによれば、ここ数ヶ月NVTゴールデンクロスは懸念すべきトレンドにあります。数値が直近のピークを越えられない状況が継続しており、歴史的にみるとこれは弱気市場到来のサインです。

実際に2024年3月以降、ゴールデンクロスのピーク値は下がり続けています。ケスメシ氏のデータを追うと、3月31日に3.17に下落してから、4月29日には3.08、5月27日には2.67、7月29日には2.03、そして8月26日には1.46にまで下がりました。ケスメシ氏はここ最近の上昇トレンドが、推進力を失いつつある可能性を指摘しつつ、「ビットコインが勢いを取り戻すためには、NVTゴールデンクロスが直近のピークを越えて、強気を引き寄せる必要があるようだ」と述べています。

先行きを楽観視するアナリストも

一方で、すべてのアナリストが危機感を訴えているわけではありません。著名なアナリストのアッシュ・クリプト(Ash Crypto)氏は直近の価格下落について、より広範な強気パターンの一環であるという楽観的な見解を「X」に投稿しました。

彼はビットコインの強気傾向は依然変化しておらず、投資家は短期的なボラティリティに惑わされず、長期的なチャートに注目すべきであることを強調しています。彼の主張の根拠にあるのは、グローバル流動性指標(global liquidity metrics)です。

グローバル流動性指標はM2(マネーサプライ)のことであり、アッシュ・クリプト氏によると、現在過去最高値の95兆ドル(約1京3,756兆円)に達していて、この指標はビットコイン価格の強気傾向と密接な相関性があるそうです。この数値から彼は、多くの予想よりも早い段階でビットコインは100,000ドル(約1,448万円)をマークし、可能性としては125,000ドル(約1,810万円)に達すると予測しています。

参考
Bitcoin’s Momentum at Risk? NVT Golden Cross Sends Warning Signals

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