リップル、機関向け暗号資産カストディ提供「Standard Custody」の買収完了
リップルがスタンダードカストディの買収完了を報告
米フィンテック企業のリップル(Ripple)社が、スタンダード・カストディ・アンド・トラスト(Standard Custody & Trust Company)の買収完了を6月11日発表した。なお買収額や取引に関する条件等については公開されていない。
また今回の買収契約については今年2月に合意されており、買収契約の完了には規制当局の承認が必要だと伝えられていた。今回の買収完了は同承認を得たものであることがリップル社より発表されている。
スタンダード・カストディは、米ニューヨーク拠点で機関投資家向けにデジタル資産カストディプラットフォームを提供する企業。同社はニューヨーク限定目的信託憲章を保有している。ニューヨーク州で企業が商業銀行または信託を開始するには、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)から信託憲章の承認を得ることが必要だ。同ライセンス保有事業者としては、コインベース(Coinbase)やジェミナイ(Gemini)、パクソス(Paxos)、ビットゴー(BitGo)、バックト(Bakkt)などがある。
今回の買収完了によりリップルは、NYDFSのライセンスを取得したことになる。
リップル社は、ニューヨーク州で暗号資産取引所を運営するために必要な「ビットライセンス(BitLicense)」を取得している他、米国全土で約40の送金ライセンスを保有しているとのこと。またシンガポール金融管理局(MAS)からの主要決済機関ライセンスを取得している他、アイルランド中央銀行(CBI)より暗号資産サービス・プロバイダー(VASP)として登録されている。
また今回の買収完了によりスタンダード・カストディのCEOであるジャック・マクドナルド(Jack McDonald)氏は、リップル社のステーブルコイン担当シニアバイスプレジデントに就任し、現職と兼務するとのことだ。
なおリップル社がカストディ企業の買収を進めるのは2社目である。同社は昨年5月、スイスのデジタル資産カストディであるメタコ(METACO)を2.5億ドル(当時約344.6億円)で買収している。
ちなみにブロックチェーンメディア「レジャーインサイツ」によるとスタンダード・カストディのテクノロジー設計者は、リップル社のXRPレジャー(XRP Ledger)を共同開発したアーサー・ブリット(Arthur Britto)氏とデイビッド・シュワルツ(David Schwartz)氏とのこと。
ブリット氏は、スタンダードカストディの親会社であるポリサイン(PolySign)の創設者であり、リップル社の共同創設者でもある。またシュワルツ氏は、リップル社の現最高技術責任者である。
関連ニュース
- リップル、機関向け暗号資産カストディ提供Standard Custodyを買収へ
- リップルが「XRPL Japan and Korea Fund」設立、日韓市場のXRP Ledger支援で
- リップル、「XRP Ledger」をコスモスのインターチェーンに接続へ
- リップル社CEO、米政府がUSDTを標的にしていると発言。テザー社CEOはこれに抗議
- HashKey DX・リップル・SBI Ripple Asiaが提携、法人向けの「XRP Ledger」の日本市場導入で
参考:リップル
images:iStocks/your_photo・Irina-Shibanova
参照元:ニュース – あたらしい経済