DePINは2023年12月頃から急激に盛り上がり始めたインフラを管理するためのシステムです。

DePINの特徴は、現実世界のインフラをブロックチェーンを活用して管理し、ネットワーク参加者への報酬として暗号資産を付与する点です。

DePINが普及すると、効率的なインフラの構築・運用や強い権力による中央集権的な管理を改善できると言われており、2024年5月現在は、多くのDePIN関連プロジェクトの開発が進められています。

本記事では、今話題のDePINとは何かについて詳しく解説します。

DePINとは

DePINは、現実世界における様々なインフラストラクチャをブロックチェーンを活用して管理し、世界中のネットワーク参加者によって分散的に管理する技術です。

「Decentralized Physical Infrastructure Network」の略称で、日本語に訳すと分散型物理的インフラストラクチャネットワークとなります。

ネットワーク参加者へのインセンティブ（報酬）として暗号資産を活用している点が特徴です。

DePINは、より効率的で安全なインフラストラクチャシステムの構築を目指しており、DePINは2024年注目のWeb3トレンドの一つと言われています。

DePINの特徴・仕組み

DePINの特徴や仕組みは以下の3つです。

順番に解説していきます。

分散的な管理

DePINの特徴の1つ目は、分散的な管理が挙げられます。

DePINはブロックチェーン技術を活用しているため、中央の管理者やサーバーが存在せず、ネットワークの参加者によって分散的な管理・運用が行われる仕組みです。

既存のインフラシステムでは、強力な権力を持った管理者やサーバーによって、中央集権的に管理されています。
一方のDePINは、システムを分散的に管理することで、中央集権的な管理よりもシステム障害や外部からの攻撃に強いと言われています。

DePINの目標は、現実世界における様々なインフラストラクチャを分散的に管理・運用することです。

暗号資産によるインセンティブ

DePINの特徴の2つ目は、暗号資産によるインセンティブです。

DePINでは、ネットワークの管理に貢献した参加者にインセンティブとして暗号資産を提供されます。

インセンティブの割合等はプロジェクトによって異なりますが、インフラ構築への貢献度が高い参加者には多くの報酬が付与されます。
インセンティブは、自動的に付与されるため中央の管理者がいなくても機能するのが特徴です。

また、インセンティブの設定によって、ネットワーク参加者が自主的にプロジェクトに貢献する仕組みができています。

インフラの構築・運用にかかるコストの大幅な削減

DePINの特徴の3つ目は、インフラの構築・運用にかかるコストを大幅に削減できる点です。

DePINは、ブロックチェーンを活用し、世界中のネットワーク参加者によって分散的に管理されています。

既存の仕組みでは、サーバー代や構築や運用の作業を行うための作業者、作業をするための物件などが必要です。
これに対してDePINが実現すると、既存の仕組みのようにインフラ構築・運用に膨大なコストをかける必要がなくなります。

また、低コストでインフラを構築できるようになると、インフラ分野への参入障壁が下がり、多くの企業や組織の参入が期待できます。
これにより、サービスの向上や価格競争が起きやすくなり、より使いやすいインフラが構築される可能性が高いです。

DePINプロジェクトおすすめ3選｜人気の暗号資産(仮想通貨)も紹介

DePINに関連する注目のプロジェクトを3つ紹介します。

順番に解説していきます。

Helium Mobile（ヘリウムモバイル）

名称	Helium Mobile（ヘリウムモバイル）
サービス開始時期	2023年12月
報酬トークン	$Mobile
公式X	https://twitter.com/helium_mobile
公式サイト	https://hellohelium.com/

Helium Mobile（ヘリウムモバイル）は、2023年12月に全米に向けてリリースされたサービスです。

従来の5Gネットワークを構築するためには、基地局を建設するために大幅なコストがかかります。
しかし、Helium Mobileでは、暗号資産 $Mobileをインセンティブとして設計して、ルーターに似たホットスポットを個人が購入してさまざまな環境に設置するよう促し、コストの大幅な削減を実現しています。

また、$Mobileはガバナンストークンとなっているため、ユーザーがHelium Mobileの運営に関わる投票に参加できるのが特徴です。

Helium Mobileは、分散型の5G通信事業者を目指しています。

Filecoin（ファイルコイン）

名称	Filecoin（ファイルコイン）
サービス開始時期	2020年10月
報酬トークン	$FIL
公式X	https://twitter.com/Filecoin
公式サイト	https://filecoin.io/

Filecoin（ファイルコイン）は、2020年10月にメインネットをリリースした分散型ストレージネットワークです。
ユーザーが不要となったストレージを貸し出したり、購入したりすることができ、貸し出した場合には報酬として$FILトークンが提供されます。

従来のクラウドストレージサービスとの大きな違いは、データの保存を1ヶ所でするのではなく、暗号化して分散して保存する仕組みです。
ストレージデータを分散的に管理することで、従来のサービスよりも高いセキュリティ性能を発揮できます。

2024年2月17日には、データストレージインフラの強化を目的として、Solanaと提携をしたことでも注目を集めています。

Hivemapper（ハイブマッパー）

名称	Hivemapper（ハイブマッパー）
サービス開始時期	2022年11月
報酬トークン	$HONEY
公式X	https://twitter.com/Hivemapper
公式サイト	https://hivemapper.com/explorer

Hivemapper（ハイブマッパー）は、2022年11月にローンチされた分散的な世界地図の構築を目指すプロジェクトです。
ユーザーが自家用車等に専用のドライブレコーダーを設置して走行し、映像をアップロードすると報酬として$HONEYが配布される仕組みです。

SNS上では、Web3版のGoogleマップと呼ばれており、既に世界中でマッピングが進められています。

Hivemapperは、Googleマップよりも低コストでのマッピングが可能で、ローンチから1年余りで世界の道路網の15％をマッピングしたと発表しています。

DePINの将来性

DePINは、ブロックチェーンを活用した新しいインフラ管理システムとして将来性に期待できます。

DePINは、エネルギー分野や交通分野、電気通信など様々な分野で採用され、既存のシステムを大幅にアップデートする可能性を持っています。

インフラ業界はこれまで新規参入が難しい市場でしたが、DePINは分散型の構築・運用によって大幅なコストの削減が可能となるため、新規参入者が増加する可能性が高いです。

DePINプロジェクトには、大手ベンチャーキャピタルのa16zを主導として多くの投資家が注目しています。

DePIN市場の取引高は上昇しており、暗号資産情報サイトのMessariのデータによると、2024年5月時点でDePIN市場の評価額は約2.2兆ドルまで成長し、今後4年間で3.5兆ドルに成長すると予想されています。

DePINに関するよくある質問

DePINに関するよくある質問は以下の通りです。

順番に質問に対する回答を紹介します。

DePINの読み方は？

DePINの読み方は、「ディーピン」です。

正式名称は、「Decentralized Physical Infrastructure Network」で、頭文字を取ってDePINと呼ばれています。

日本語では、分散型物理的インフラストラクチャネットワークと呼ばれ、現実世界のインフラストラクチャをブロックチェーンを活用して分散的に管理する技術です。

DePINはなんで注目されているの？

DePINが注目されている理由は、ン参入が難しかったインフラ市場への参入者が増え、サービスの向上や価格競争が起きる可能性があるためです。

DePINが普及すると、今後インフラ市場が活性化され、大きなイノベーションが生まれる可能性が高いです。

また、参加者には報酬として暗号資産が受け取れる点も話題になった要因の一つと言えるでしょう。

DePINと暗号資産(仮想通貨)の関係性は？

DePINサービスでは、暗号資産をインセンティブとして提供しています。

暗号資産をインセンティブに設定することで、ユーザーが自主的にネットワークへ貢献する仕組みができています。

【まとめ】DePINについて

DePINは、現実世界の様々なインフラを管理するための革新的なシステムです。
ブロックチェーン技術を活用し、インフラの構築・管理を世界中のネットワーク参加者によって分散的に管理しています。

DePINは、インフラ構築などにかかるコストの大幅な削減や参入障壁を下げるなどのメリットがあります。
既に多くのプロジェクトがリリースされており、今後多くの分野で導入される可能性が高いです。

2024年のWeb3トレンドとして、複数のメディアでDePINが取り上げられているため、今後の動向には要チェックです。

参照元：NFT Media