NTTドコモ:Web3サービスをグローバル展開「新会社設立」を正式発表
「NTTドコモ・グローバル」2024年7月に設立予定
NFTドコモは2024年5月10日に、Web3・ブロックチェーン・AI(人工知能)などを活用したサービスのグローバル展開に向けて「株式会社 NTTドコモ・グローバル」という新会社を2024年7月に設立することを発表した。
NTTドコモ・グローバルは、ドコモグループのグローバル事業を統括して、事業横断で統合的かつ機動的にグローバル事業を推進する新会社であり、パートナーと共に「新たなライフスタイルの創出」と「それを通じた社会・産業の構造変革」に取り組む。
具体的には、個人や企業がブロックチェーン技術を簡単・安全に利用して、便利で新しい決済サービスを享受できるよう社会実装を実現するためのアプリケーション・サービス事業を展開する。
また、通信キャリアの価値向上や効率化を実現する「Open RAN」のような事業も展開される予定で、将来的には他事業への拡大も検討し、幅広く統合的なグローバル戦略の企画・立案を行い、迅速に事業を拡大していくと説明されている。
Open RANとは、無線送受信装置などの仕様をオープンにして、様々なベンダーの機器やシステムと相互接続できるようにする標準化された無線アクセスネットワーク(RAN)のことだ。
新会社の事業内容と事業戦略
新会社の軸となる事業内容・事業戦略については以下のように報告されている。
NTTドコモ・グローバルの事業内容
- アプリケーション・サービス事業
Web3・AIを活用したDMP(データマーケティングプラットフォーム)など、デジタル&データPF事業をグローバル展開する。 - キャリアイネーブリング事業
Open RAN(オープンな無線アクセスネットワーク)やNTN(非地上ネットワーク)などによるキャリアビジネスのトランスフォーメーションに取り組む。
NTTドコモ・グローバルの事業戦略
- 基本戦略
ドコモグループが保有するグローバル領域の出資先を新会社の傘下に移管・集約するとともに、現地の顧客基盤と販路・ブランド力を有する有力企業への事業投資を通じて海外顧客基盤を獲得し、アプリケーション・サービス事業とキャリアイネーブリング事業とを統合的に展開。中長期的には自らの顧客基盤・販路による事業拡大を目指す。 - 地域戦略
新たに事業開拓するアプリケーション・サービス事業を市場規模と消費人口の高成長が期待される「東南アジア・北米地域」から展開。基本戦略に基づいて事業を統合的に展開し、中長期的には欧州・中東などグローバルな事業拡大を目指す。既存のコネクテッドサービスに関わる事業は顧客ニーズに合わせてグローバル(欧米・アジア等)に展開する。 - 人材戦略
グローバル人材ポートフォリオを可視化し、キャリア採用や資本提携による外部市場からの人材獲得を通じ、事業投資・事業経営・統合的事業展開を担える人材強化・体制強化を図る。
新会社運営準備も進行中
NTTドコモは2024年5月10日に、新会社の運営準備を目的として「グローバル事業企画株式会社」も設立した。
今後は2024年7月の事業開始に向けて「株式会社NTT Digital、株式会社OREX SAI、海外現地法人」の3社の株式移管準備が進められることになる。
海外現地法人については、各国での営業活動を始めグローバル展開の総合的なサポート拠点として活動するとのことだ。
NTTドコモが行ってきたWeb3関連の取り組み
NTTドコモは数年前からWeb3関連の取り組みを進めていて、2022年にはWeb3の普及に向けてAstar Networkを開発している「Stake Technologies」や「アクセンチュア」と連携している。
また、2023年6月にはゲーム特化型ブロックチェーンである「Oasys」のネットワークを支えるバリデータとして、NTTドコモの子会社である「新領域企画準備株式会社」が参画したことも発表されている。
さらに、2023年7月には「NTT DigitalがWeb3の社会実装に向け13社と連携すること」も発表、2024年3月には電話番号で利用できる仮想通貨ウォレット「scramberry WALLET」の提供も開始されている。
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(NTTドコモ発表)