ヴィタリック、アカウント抽象化(AA)を改良する「EIP-7702」発表
ヴィタリックが「EIP-7702」を発表
イーサリアム(Ethereum)の共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、アカウント抽象化(AA)の改良を目的としたEIP:Ethereum Improvement Proposals(イーサリアム改善提案)である「EIP-7702」を5月7日に発表した。
アカウント抽象化(AA)は、通常のイーサリアムアカウントとして使用されているEOA(外部所有アカウント)のようにスマートコントラクトを使用するという考え方。スマートアカウントとも呼ばれる。AAではスマートコントラクトを利用するため、EOAでは実現できない「サブスクリプション機能」や「ERC-20トークンでのガス支払い機能」などの実装が可能になる。
「EIP-7702」はこのスマートアカウントの新しい実装を提案するもので、EOAを一時的にスマートアカウントとして扱えるようにするトランザクションタイプを実装する。これにより、スマートアカウントを実装しつつ既存のスマートコントラクトを利用する際に追加の実装をする必要がなくなるというメリットがある。
同提案は、イーサリアムの次期アップグレードである「ペクトラ(Pectra)」での実装を検討されていた「EIP-3074」の代替案である。「EIP-3074」は議論に長い時間を要した提案であり、導入が現実的であると結論付けられてからも批判を表明する開発者も存在していた。
「EIP-7702」は「EIP-3074」とは異なり、イーサリアムの仮想マシンであるEVM(イーサリアム仮想マシン)に新しいオペコードを追加することなく実装できるため、実装が複雑になることを防いでいる。
ユニスワップ(Uniswap)の創設者であるヘイデン・アダムス(Hayden Adams)氏は今回に提案に対し、量子コンピュータへの耐性および、スマートアカウントのアカウント抽象化の実装を行う「ERC-4337」との互換性が向上しているという旨の投稿をXで行っている。
ブテリン氏は以前からイーサリアムにスマートアカウントを実装することを提案していた。以前のアップグレードでスマートアカウントの実装が完了してからも改良を目指しており、多くの開発者がこの分野の開発に取り組んできた。
また米大手決済会社のVisaがスマートアカウントの実証実験を進めていることも発表しており、今後も開発が加速していくと予想される。
EIP7702 – a new alternative to 3074 from Vitalik to add quantum resistance and better compatibility with 4337https://t.co/iaUHziVO3j
— hayden.eth (@haydenzadams) May 7, 2024
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参考:フォーラム
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参照元:ニュース – あたらしい経済