MetaMask提供のConsensys、米SECへ「現物イーサリアムETF」承認後押しする書簡提出

SECのパブコメに応じる形で

web3ウォレットのメタマスク(MetaMask)提供の米コンセンシス(Consensys)が、現物イーサリアム(ETH)ETF(上場投資信託)承認を後押しする旨の書簡を米証券取引委員会(SEC)に提出した。これについては、3月29日付けのコメントレターが公開されている。

SECは3月8日、ブラックロック(Blackrock)の現物イーサリアムETF 「iシェアーズイーサリアムトラスト(iShares Ethereum Trust)」を上場させるために米ナスダック(Nasdaq)が申請する取引ルール変更についてパブリックコメントを募集していた。

その中でSECは、イーサリアムのPoSコンセンサス・メカニズムが「イーサリアムの詐欺や操作を受けやすいという独自の懸念」を引き起こすかどうかについての情報を求めている。

コンセンシスは今回、これらの質問に答える形でレターを展開している。コンセンシスは、「イーサリアムのPoSには強力な不正防止および不正操作防止メカニズムが組み込まれており、どちらかといえばビットコインのPoWコンセンサスモデルよりも不正操作に強い」と主張した。

SECの質問に対しコンセンシスは、イーサリアムがPoSに移行したことで、証明可能なトランザクションの最終性モデルに準拠しており、ブロックはPoWの場合よりも短い時間でファイナライズされ、実質的に確定し、取り消すことはできないと説明。

また、イーサリアムのPoSは、提案者と検証者という2つのブロック検証者グループ間の職務分担に基づいており、エラーや操作に対する抑制と均衡の役割を果たしていると指摘。同モデルにより悪意ある行為者が新たなブロックの提案者と検証者を事前に予測することはできないとした。また万一そのようなことが起きたとしても、潜在的被害は確定前の数ブロックに限定されるとコンセンシスは述べている。

またブロックチェーンのセキュリティ概念「ビザンチン耐障害性(Byzantine fault tolerance:BFT)」を破ってネットワーク攻撃するコストはビットコインよりイーサリアムの方が高いため、ネットワーク侵害の可能性が低減されるとした。

またイーサリアムでは、ルール違反をしたバリデータに対して「スラッシング」という金銭的ペナルティが設けられている点や、PoSはビットコインのPoWよりも環境に優しい点なども、現物ビットコインETFより安全性が高い根拠として述べられている。

またコンセンシスは、セキュリティ保護を強める要因として、イーサリアムがもつ大規模な分散型コミュニティや、開発に誰でも参加できるといった完全に開かれた透明性が高い点を挙げている。

コンセンシスはSECに対し、イーサリアムの設計には高度なセーフガードが内在することを認識することを求めており、同セーフガードはビットコインベースのETPの手本となるセキュリティと回復力を満たすのみならず、上回っていると主張している。

またコンセンシスは、使命として「次の10億人のユーザーをweb3に取り込むこと」を掲げた。

同社は今後もSECが関係者らと建設的な対話を続けていくことを期待していると伝えている。

SECは1月にも、暗号資産運用会社グレースケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)による現物イーサリアムの投資信託を「グレイースケール・イーサリアム・トラスト(ETHE)」ETFへ転換する申請の承認判断を延期した際に、パブリックコメント募集へ向けた複数の質問を公に投げかけていた。

具体的には、現物イーサリアムETFが現物ビットコイン(BTC)ETFに類似しているかどうかを問うものや、「ETHとそのエコシステムに関連する特定の特徴(プルーフ・オブ・ステーク[PoS]コンセンサス・メカニズム、少数の個人または事業体による支配や影響力の集中など)が、イーサリアム上場投資信託の詐欺や操作を受けやすくする可能性についての懸念があるか」という問題を提起している。

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参考:レターSECの通知

参照元:ニュース – あたらしい経済

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