ワールドコイン:虹彩認証装置Orbで「個人情報の自己管理機能」導入へ
Orbで収集される重要情報を自分で管理
ワールドコイン(Worldcoin/WLD)は2024年3月22日に、虹彩認証装置「Orb」のプライバシー・セキュリティ強化を目的として、取得された目の虹彩データを自分自身で管理できる「パーソナル・カストディ(個人保管)」を導入することを発表しました。
Orb(オーブ)は、人間の眼球にある虹彩をスキャンするボール状の生体認証装置であり、虹彩スキャンなどでAIと人間を区別して人間だけに「World ID」を発行、ID保有者はワールドコインの取り組みで仮想通貨WLDの報酬を獲得できる仕組みとなっています。
このデバイスでは、自分の虹彩情報が収集されるため、個人情報の取り扱い方などに対する懸念の声が出ていましたが、今回発表された「パーソナル・カストディ」と呼ばれる機能によって、ユーザーは自分のデバイスでバイオメトリックデータを保管できるようになると報告されています。
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パーソナル・カストディ導入による変更点
従来の仕組みでは、収集された個人情報の取り扱いで「暗号化してサーバーに保存する」もしくは「削除する」のどちらかを選択できるようになっていたものの、今回の個人保管機能によって「暗号化してサーバーに保存する」という選択肢は排除されることになると伝えられています。
新しい仕組みでは、暗号化されたユーザーの顔と目の情報が「ユーザー個人のデバイス」に送信され、Orbからはそれらのデータが自動的に削除されるため、Orbから個人のWorld Appに暗号化されたデータが送信された後は、そのデータのコピーがどこにも存在しなくなると説明されています。
ユーザーは自分のデバイスに保管されたデータを削除することもできるとのことで、このデータを「World App」の顔認証に使用することもできるとも説明されています。
個人情報の自己管理で安心感が高まる
今回発表されたパーソナル・カストディ機能によって、ユーザーは自分の重要な生体情報を自分自身で管理できるようになるため、Orbs認証における安心感が高まると期待されています。
なお、今回の発表では「Orbのソフトウェアのコアコンポーネントをオープンソース化したこと」も報告されており、ソフトウェアの概要に関する説明もなされています。
ワールドコインの「Orb」に対しては世界中から懸念の声があがっていますが、今月14日には「Orbの個人情報収集などに関する監査結果をまとめたプライバシー・セキュリティ監査レポート」も公開されています。
このセキュリテイ監査は「Trail of Bits」という第三者機関が実施したもので、『ワールドコインのプロジェクト目標に関連して直接悪用できるようなコードの脆弱性は発見されなかった』と報告されています。
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