通信大手テレフォニカがチェーンリンクと提携、SIMスワップ攻撃等に対するセキュリティ強化へ
SIMカードの不正変更が確認可能に
通信大手のテレフォニカ(Telefonica)が、ブロックチェーンデータプロバイダーのチェーンリンク(Chainlink)と提携し、「SIMスワップ」攻撃を含むWeb3関連のハッキングやエクスプロイトに対するセキュリティを強化すると2月15日発表した。
今回の提携により、スマートコントラクトがSIMスワップAPI(SIM SWAP API)からデータにアクセスできるようになった。
発表によれば、今回の取り組みは「GSMA Open Gateway SIM SWAP API」の最初のユースケースだという。
「GSMA Open Gateway」は、1,000以上の携帯電話事業者と企業で構成される組織のGSMAが主導する通信業界のイニシアティブだ。同イニシアチブへは今回、先駆的な通信機能をもたらすAPIが導入された格好だ。
今回の提携により、「GSMA Open Gateway SIM SWAP API」でチェーンリンク提供の「チェーンリンクファンクション(Chainlink Function)」がサポートされ、様々なソースからのデータの検証が可能になるという。
これにより、トランザクションのセキュリティ向上のみならず、スマートコントラクトがAPIに情報要求を行い、デバイスのSIMカードが不正に変更されていないことが確認でき、ブロックチェーントランザクションに追加のセキュリティレイヤーが導入されるとのことだ。
なお仕組みとしては、ポリゴン(Polygon)ブロックチェーン上のスマートコントラクトがチェーンリンクオラクルネットワークを介してSIMスワップAPIにアクセスできるとのこと。
チェーンリンクを介して「GSMA Open Gateway API」を使用することで、分散型金融(DeFi)や分散型アプリケーションにおける二要素認証や不正検出に対応し、トランザクションのセキュリティ以外のリスクも軽減するとテレフォニカは伝えている。
なおチェーンリンクの「チェーンリンクファンクション」は、チェーンリンクが提供する任意のオフチェーンのAPIとスマートコントラクトの統合を実現するためのプラットフォームだ。開発者は同プラットフォームを利用することで、独自のサーバーを用意することなく、これを実現できる。
今年1月には「アービトラムワン(Arbitrum One)」が、「チェーンリンクファンクション」のサポートを開始している。
関連ニュース
- 米コインベースのL2ソリューション「Base」、「Chainlink Price Feeds」導入
- 【追記】米SEC公式Xがまさかのフェイクポスト、「現物ビットコインETF承認」誤報でBTC価格は乱高下。原因は調査中
- Arbitrum One、チェーンリンクの「Chainlink Function」のサポート開始
- ボーダフォンと住友商事ら、チェーンリンク開発のCCIPで貿易ソリューション実証実験
- ヴィタリックがT-Mobileアカウント復活を報告、ハッキング騒動についても説明
参考:テレフォニカ
images:iStocks/shilh
参照元:ニュース – あたらしい経済