日本国内のAI・ブロックチェーン有識者が「アニメチェーン構想」発表|トークン発行も予定
生成AI活用の環境整備「アニメチェーン準備委員会」設立
日本国内のAI(人工知能)やブロックチェーンに関する有識者らが参加する「アニメチェーン準備委員会」は2024年1月9日に、生成AIにまつわる著作権や論理的問題を解決して、コンテンツやエコシステムのさらなる拡大を目指す「アニメチェーン構想」を発表しました。
アニメチェーン準備委員会は今回の発表にあわせて設立が発表された組織であり、現在の起案メンバー・アドバイザリーボード・支援パートナーは国内のAI/ブロックチェーン有識者やエンタメ・コンテンツ関連企業などで構成、今後は国内外のアニメ業界関係者や関連会社にも参加してもらう予定だと報告されています。
発表時点におけるアニメチェーン準備委員会のメンバーとしては、以下のメンバーが紹介されています。
- 三瀬修平氏:Turingum顧問(前CEO)、Zeal Nova創業者
- パジ/安宅基氏:Tokyo Otaku Mode共同創業者&取締役副社長
- 玉舎直人氏:Arriba Studio、Oasys、double jump.tokyoファウンダー
- 上野広伸氏:double jump.tokyo代表取締役CEO
- 新井モノ氏:AIHUB代表取締役CTO/アーティスト/エンジニア
アニメチェーン構想とは?
アニメチェーン構想は、生成系AIにまつわる著作権や倫理的問題を解決しながら、エンタメ・コンテンツ領域における生成系AIの活用を促進し、コンテンツ・エコシステムの持続可能な発展を推進するものだと説明されています。
具体的には、基盤モデルを含むすべての学習をブロックチェーン技術を用いて正当性を担保したオプトインのデータセットのみで行う生成系AIを提供し、コンテンツ・エコシステムのさらなる拡大のため、従来中心だった欧米・アジアに加え、中東・アフリカなども含めたグローバルな展開を目指すと説明されています。
アニメチェーン準備委員会はこの構想を通じて「クリエイターや企業が著作権や倫理的問題を気にすることなく、安心・安全に生成系AIを活用できる制作環境の整備」に取り組んでいくとのことで、「産業全体の課題となっているアニメ制作現場の人手不足の解決」も図っていくとも説明されています。
アニメチェーン構想の目的・ビジョン・ロードマップについては以下のような説明がなされています。
アニメチェーン構想の目的
①クリエイターのための安心・安全な環境整備
クリエイターの権利の尊重を目的として、基盤モデルを含むすべての学習を、権利者の許諾を受けた「オプトイン素材」のみを使用して再構築した生成系AIおよび関連ツールを提供。さらに、生成系AIの透明性と正当性を確保するため、その開発プロセスをブロックチェーンに記録。これにより、生成系AIに関連する著作権問題と同時に倫理的問題の解決も図る。
②コンテンツ産業の人手不足解消
日本のコンテンツ産業、特にアニメ産業は、世界的な需要が高まっている状況にもかかわらず、制作現場における”人手不足”が深刻な問題となっており、この切迫した状況に対処するため、ブロックチェーンを活用した正当な系譜を持つ生成系AIの導入は必要不可欠と考えられる。限られた人員のもとでも、高品質なコンテンツをより迅速に制作できる環境を構築し、人手不足による産業の停滞を防ぎ、持続可能な成長を目指す。
③クリエイター収益の最大化
生成系AIで作られたコンテンツの収益を、制作したクリエイターはもちろん、ブロックチェーン上の生成経緯に基づき学習データを提供した権利者へも還元する。クリエイターが学習データに用いる原画や画像の制作過程を提供することで、収益を最大化でき、よりクリエイティブな制作活動に専念できると期待される。
アニメチェーン構想のビジョン
アニメチェーン構想のビジョンは「日本が誇るアニメ・漫画・ゲーム・VTuberなど、エンタメ・コンテンツ業界を健やかに発展させ、持続可能性を高めること」にある。
コンテンツ・エコシステムをより一層拡大させるため、今後加わっていくパートナーと共に「アニメキャラクターの積極的な広告活用、広告クライアントとのマッチング、ローカライズのためのマーケティング支援、ファンからのニーズ収集」など、業界全体として現在カバーしきれていないプロダクトやサービスの提供も予定。
独自のエコシステムトークンなどを用いて、支援パートナーや貢献者に対しインセンティブを付与することで仲間を増やし、早期にビジョンを達成することを目指す。
コンテンツ・エコシステム拡大のためのイメージ図(画像:アニメチェーン準備委員会)
アニメチェーン構想のロードマップ
ステップ1
- クリエイターコミュニティ&業界関係者との協力体制の構築
- 生成系AIが生み出すコンテンツ利用におけるガイドラインの制定
- 生成系AI(画像/動画/モーションモデル)の基礎研究
ステップ2
- オプトイン素材のみを使用した基盤モデルの試作
- 生成系AIツール/マネージドGPUファームの提供開始
- 生成系AIによる作品制作&制作サポートやハッカソン(開催コンテンツ・クリエイターに向けたトークンなどを用いた価値の流通・還元・可視化および開発/制作資金のサポート)
- オプトイン素材のみを使用した基盤モデルの構築・独自ブロックチェーンの構築
- コンテンツ・エコシステムの拡大
- 運営組織の自律分散化
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