AIでステーブルコインのデペグを予測「デジタル資産モニター」ローンチ:Moody’s

USDT・USDCなど25種類の主要コインに対応

金融格付け機関「Moody’s Corporation」の子会社である「Moody’s Analytics」は2023年11月6日に、人工知能(AI)を活用して暗号資産やステーブルコインのボラティリティとリスクを追跡する「デジタル資産モニター(DAM)」をローンチしたことを発表しました。

デジタル資産モニター(DAM)は、ステーブルコインが24時間以内に参照価格からデペグする確率を示すことができるように設計されており、ローンチ時点では「USDT・USDC・PYUSD」などを含む25種類の法定通貨連動型ステーブルコインの追跡が可能となっています。

デペグ(ディペッグ)とは、ステーブルコインの価格が”本来ならば同じであるべき参照価格”から乖離した状態のことを指しますが、Moody’sは「ステーブルコイン価格が参照価格から1日に3%以上変動した状態」をデペグとして定義しています。

リスク評価は公開情報とムーディーズ独自のデータの両方も用いながら実施される仕組みで、具体的には「発行者リスク・市場リスク・流動性リスク・カストディアンリスク・準備資産リスク」を考慮してステーブルコインを評価する仕組みとなっています。

なお、DAMは既に法定通貨関連ステーブルコインの時価総額の92%以上を占める主要銘柄をサポートしていますが、今後も他のデジタル資産が徐々にサポートされていく予定です。

2023年には主要コインで609回のデペグ

Moody’s Analyticsは今回の発表の中で「ステーブルコインでは2023年9月中旬までに合計1914回のデペグが発生していて、大型ステーブルコインのデペグはその中の609回だった」と報告しています。

また、同社は比較対象として「2022年には合計2847回のデペグが確認されていて、大型ステーブルコインのデペグは707回だった」とも報告しています(大型ステーブルコインはDAIなど時価総額上位5つのステーブルコインを含む)。

ムーディーズによると「ステーブルコインのデペグは非常に一般的で、デペグの多くはマクロ要因とコイン特有の要因で発生している」とのことで、2022年と2023年には金利の上昇がきっかけでデペグが発生していると説明されています。

Moody’s Analyticsが発表したデジタル資産モニター(DAM)の詳細は「Moody’s Analyticsの公式発表ページ」で確認することができます。

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参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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