オーストラリア証券取引委員会、eToro現地法人を提訴へ、レバレッジ商品の違反で
現地規制当局がイートロオーストラリアを訴訟へ
オーストラリア証券投資委員会(ASIC)が、投資プラットフォームのイートロ(eToro)のオーストラリア法人「イートロオーストラリアキャピタルリミテッド(eToro Aus Capital Limited)」を、差金決済取引(CFD)商品の設計・販売義務に違反しているとして提訴する意向を8月2日表明した。
CFDは金融派生商品の一種で、「差金決済取引」のことを指す。トレーダーや投資家が原資産そのものを所有することなく、株式・株価指数・コモディティ・外国為替レート・暗号資産などの価格に投機できる取引または金融商品だ。
なおイートロの暗号資産CFDでは、特定の資産に対して、最大2倍のレバレッジをかけることが可能だ。
ASICによればCFD商品のリスクは原資産にも独自のリスクがあり、「暗号資産のような極めてハイリスクでボラティリティの高い商品」が含まれる場合、そのリスクは高まるという。
ASICはまた、イートロのCFD対象市場は広すぎるため、CFD取引のリスクを理解していないユーザーも対象に含まれる可能性があると指摘。2021年10月5日から2023年6月14日の間に、イートロの顧客の29,965人が口座を開設し、そのうち約2万人の顧客がCFD取引で損失を被ったと主張している。またその総額は26,248,787.58豪ドル(約24.6億円)にのぼるとのことだ。
各社報道によればイートロの広報担当者はメディアらに対し、現在イートロオーストラリアは、CFDの対象市場範囲を修正し運営していると述べ、サービスへの影響及び中断はないと語ったという。
また、ASICの申立てについて検討段階であることも明かし、適宜対応するとも話しているという。
イートロは6月、米国居住者ユーザーを対象に、暗号資産のアルゴランド(ALGO)、ディセントラランド(MANA)、ダッシュ(DASH)、ポリゴン(MATIC)の4銘柄の取引制限を行うことを発表。この対応は米証券取引委員会(SEC)による規制強化の動きを受けてのものであった。
またASICは7月14日より、昨年破綻した大手暗号資産取引所FTXの子会社であるFTXオーストラリア(FTX Australia)の保有していたオーストラリア金融サービス(AFS)ライセンスを取り消している。
関連ニュース
- eToro、米国居住者へMANA・DASH・MATIC・ALGOの取引制限へ
- eToro、SPACでのナスダック上場を取り下げ
- オーストラリア証券取引委員会、FTX現地法人のライセンス取り消し
- 米ロビンフッドがADA・MATIC・SOLを上場廃止へ、SECの証券指摘受け
- eToro、NY州での暗号資産サービスライセンス取得
参考:声明
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Wachiwit
参照元:ニュース – あたらしい経済