金融安定理事会「仮想通貨・ステーブルコイン関連の国際的な規制枠組み」を最終決定

国際的な規制枠組みを最終決定

G20の金融当局で構成される金融システムの安定化を目的とした国際組織「金融安定理事会(FSB)」は2023年7月17日に、暗号資産に関する国際的な規制枠組みを最終決定したことを発表しました。

今回の規制枠組みは”国際的に一貫した包括的な暗号資産規制”を推進するためのものであり、「暗号資産規制」と「ステーブルコイン規制」に関する推奨事項が合わせて発表されています。

公式発表では『過去1年間の出来事によって、暗号資産と関連プレーヤーの本質的なボラティリティと構造的脆弱性が浮き彫りになった』と指摘されており、今回の枠組みがそのような出来事などから得られた教訓も踏まえて作成されたものであることが説明されています。

暗号資産に関する複数の推奨事項

今回公開された暗号資産とグローバルステーブルコインの推奨事項には以下のような内容が記されています。

  1. 当局は適切な規制権限・ツール・リソースを有して暗号資産市場を規制・監督・監視し、必要に応じて関連する法律や規制を効果的に執行すべき。
  2. 当局は「同じ活動、同じリスク、同じ規制」という原則に基づいて、暗号資産の発行者やサービスプロバイダーも含む暗号資産市場に包括的かつ効果的な規制・監督・監視を適用すべき。
  3. 当局は、効率的かつ効果的なコミュニケーション・情報共有・協議を促進して、規制と監督の結果の一貫性を確保するために、国内外を問わずお互いに協力して調整すべき。
  4. 当局は必要に応じて、暗号資産発行者とサービスプロバイダーに対して「包括的なガバナンスフレームワークを整備して開示すること」を要求すべき。
  5. 当局は必要に応じて、暗号資産サービスプロバイダーに対して「効果的なリスク管理フレームワークを整備すること」を要求すべき。暗号資産発行者には「参加している活動や市場によってもたらされる可能性のある金融安定リスクに対処すること」を要求すべき。
  6. 当局は必要に応じて、暗号資産発行者とサービスプロバイダーに対して「データの収集・保管・保護、必要な関連ポリシー・手順・インフラを含むタイムリーかつ正確な報告のためのシステムとプロセスを含む堅牢なフレームワークを導入すること」を要求すべき。
  7. 当局は、暗号資産発行者とサービスプロバイダーに対して「ガバナンスフレームワーク・運営・リスクプロファイル・財務状況・提供する商品や実施する活動に関する包括的で明確かつ透明性のある情報をユーザーと利害関係者に開示すること」を要求すべき。
  8. 当局は、暗号資産エコシステムと幅広い金融システムの間の両方で関連する相互接続を特定して監視し、そのような相互関係や相互依存から生じる金融安定リスクに対処すべき。
  9. 当局は、複数の機能を有する暗号資産サービス事業者に適切に対処するための包括的な規制を確保する必要がある。

なお、FSBのジョン・シンドラー事務総長は『この世界的な枠組みは暗号資産規制のルールを書き換えたり、新しく作成したりするものではない』と語ったとも報じられており、「暗号資産関連の活動は一部の人が考えているほど従来の金融活動と違いはなく、銀行と同様のルールが適用されるべき」と述べたと伝えられています。

また、FSBは2025年末までに今回の推奨事項の実施状況をレビューする予定であるとのことで、2023年9月には国際通貨基金(IMF)と共に現在の政策と課題を記載した共同報告をG20に提出する予定とも伝えられています。

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FSB発表

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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