米SEC再編とゲンスラー委員長の解任求める法案、米下院に提出

「SEC安定化法」を提出

米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー(GaryGensler)委員長の解任要求および、SEC再編案が米下院へ提出された。米共和党の下院議員ウォーレン・デビットソン(Warren Davidson)氏による6月13日のツイートで明らかになった。

今回米下院へ提出されたのは「SEC安定化法(SEC Stabilization Act)」とのことだ。この法案は、ゲンスラー委員長をSECを率いる立場から外し、他の委員に権限を再分配するというもの。また、現在5名で構成されている委員に6人目を加え、日々の運営を監督する執行役員を創設することで委員会を再編するという。また共和党と民主党からの選出はそれぞれ3議席までとし、委員長の代わりにトップにエグゼクティブディレクターを置くとのことだ。

なお同法案を提出したのは、デビットソン氏と、共和党で下院議員のトム・エマー(Tom Emmer)氏の2名である。

デビットソン氏は「米国の資本市場は、現職を含む横暴な委員長から保護されなければならない」とツイート。

エマー氏は「米国の投資家と業界は、政治的な駆け引きではなく、明確で一貫した監視を受けるべき」と述べ、SEC安定化法は「SECの優先順位が、無謀な議長の気まぐれではなく、保護すべき投資家にあることを保証するために、常識的な変更を施すもの」だとコメントしている。

暗号資産などを痛烈に否定

昨年11月のFTX破綻以降、SECは規制強化を推進している。

SECは6月5日、海外大手暗号資産取引所のバイナンス(Binance)と同社CEOのCZ氏およびバイナンスUSを提訴。その翌日には米大手暗号資産取引所のコインベース(Coinbase)を提訴している。

またSECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は、6月6日に出演した米CNBCのビジネス番組「スクワーク・オン・ザ・ストリート(Squawk on the street)」の中で「これ以上のデジタル資産は必要ない」と発言。

さらにゲンスラー委員長は、「これらの取引プラットフォームは、自らを取引所と呼んでいるが、多くの機能を混同している」と指摘。「伝統的な金融では、ニューヨーク証券取引所がヘッジファンドを運営し、市場を形成しているのを見たことはない」とし、暗に暗号資産取引所を批判していた。

なお5月には、SECが提案しているカストディの関する規則の改正に対し、米ブロックチェーン協会(Blockchain Association)をはじめ、大手暗号資産取引所のコインベース、大手VCアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz:a16z)、「クリプト・ママ」としても知られるSECのへスター・パース(Hester Peirce)氏が懸念を示す書簡をSECへ送っている。

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参照元:ニュース – あたらしい経済

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