オフショア人民元・香港ドルに紐づくステーブルコイン発行元の開発者らを上海警察が拘束=報道
開発チームが上海警察に拘束される
オフショア人民元に紐づいたステーブルコイン「CNHC」と香港ドルに紐づく「HKDC」の発行企業「トラスト・リザーブ(Trust Reserve:旧CNHC社)」の開発者チームが、上海警察に拘束された。地元メディアのPAニュースが5月31日に報じている。
その報道によれば、開発者チームは5月29日の午後から連絡が取れなくなっていたという。一部の家族には拘束された旨が知らされていたようだ。
またPAニュースは、上海市浦東(ほとう)にある同社オフィスは現在無人であり、ドアには2023年5月29日付けの「司法差し押さえ、破壊行為厳禁」と書かれた通知が貼られていることも伝えている。
「トラスト・リザーブ」は今年3月、シリーズA+投資ラウンドにて1,000万ドルの資金調達を行っていた。なお同ラウンドは、シンガポールを拠点とする暗号資産(仮想通貨)取引所KuCoin(クーコイン)が主導し、Circle Ventures、 IDG Capitalが参加していた。
「CNHC」は、2021年にリリースされた、オフショア人民元と1:1でペッグされたステーブルコインだ。なおオフショア人民元(CNH)とは、中国の通貨である人民元のうち、香港・シンガポール・イギリスなど中国本土外の居住者が取引する国外市場で取引されるものを指す。
「HKDC」は、イーサリアム (ETH)のトークン規格ERC-20上で展開される香港ドルに紐づいたステーブルコインだ。
なおデジタル人民元を発行する中国では2021年5月より、国内での暗号資産の取引や関連サービスが厳しく禁止されている。それを受け、同国で事業を行う多くのマイニング事業者や交換業者が中国からの撤退を余儀なくされた背景もある。
ただし今回の報道によれば、「トラスト・リザーブ」はステーブルコイン事業の他にクロスボーダー決済事業を行っており、本件については、この決済事業が警察から拘束された原因であるという見方もある。
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参考:PANews、トラスト・リザーブ
デザイン:一本寿和
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参照元:ニュース – あたらしい経済