BINANCEは顧客資産と企業資金を混同している?ロイター報道にバイナンス関係者が反論

「大手暗号資産取引所BINANCE(バイナンス)が、顧客資産と企業収益を混合して運用していた可能性がある」との報道がなされたことによって、現在は”この報道内容が事実であるかどうか”について議論が進められています。

ロイターは2023年5月23日に”事情に詳しい関係者3名の話”としてこのことを報じていますが、BINANCEの関係者は一連の報道内容を否定しています。

バイナンスの顧客資産流用疑惑、ロイターの報道内容

顧客資産と企業収益の混同疑惑

ロイターは2023年5月23日に、”事情に詳しい関係者3名の話”として『BINANCEは顧客資産の分別管理を義務付ける米国の規則に違反し、2020年と2021年に顧客資産と企業収益を混同していた』と報じました。

BINANCEの財務事情に詳しい関係者は「その額は数十億ドルに達する」と語ったとのことで「BINANCEのシルバーゲート銀行の口座ではほぼ毎日不正会計が行われていた」とも報告されています。

ロイターは今回の報道で「その数字や頻度を独自に検証することはできなかった」と報じていますが、「BINANCEの銀行取引を調査した結果、2021年2月10日に2,000万ドルの企業資産と1,500万ドルの顧客資産を混ぜ合わせている記録が見つかった」とも報じています。

BINANCE広報担当者からの反論

ロイターの報道の中では「BINANCEはロイターへの声明で”顧客資産と企業収益を混同していたこと”を否定した」とも報告されています。

BINANCE広報担当者のBrad Jaffe氏は今回の件について『指摘されている銀行口座はユーザーの入金を受け入れるためのものではなく、ユーザーの仮想通貨購入を容易にするためのものだ』と説明したとのことで、『これらは100%会社の資金であり、混合はされていない』ともコメントされています。

Brad Jaffe氏によると、ユーザーが対象口座に資金を送金する際には「資金を預けている」のではなく「米ドル連動ステーブルコインBUSDを購入している」ということになるとのことで『このプロセスはAmazonから商品を購入するのと全く同じ仕組みである』とも説明されています。

BINANCEへの送金は「預金」か「購入」か

一方、米国の元規制当局関係者は「バイナンスが顧客に対してBINANCEへのドル送金を”預金”と表現していたこと」を指摘しているとも報告されています。

この関係者は『BINANCEのウェブサイトでは2020年後半から2021年にかけて、顧客のドル送金をBUSDという形で取引口座に入金される”預金”と表現しており、預金をドルとして”出金”することができると説明されていたため、これらの表現は顧客資産が従来の現金預金と同じように保護されるとさせるものであった』と主張しているとのことです。

なお、ロイターから「ドル預金を”購入”とみなすと利用者に伝えたことがあるか?」と尋ねられたバイナンスは、その証拠を提示せずに『”預金”という用語はコミュニケーション用語であり、資金の技術的な取り扱いを示すものではない』と説明したと伝えられています。

BINANACEが現金を仮想通貨に変換する理由は?

BINANACEが現金を仮想通貨に変換する理由については「元規制当局関係者」と「BINANCEグループに詳しい人物」2名が語った内容が報じられています。

元規制当局関係者はロイターに対して「仮想通貨へ資金を移動させることによって、BINANCEが事業を展開する国の税務当局から資金を保護することができた可能性がある」と語っていますが、BINANCEに詳しい別の人物はもう1つの動機があったと語っています。

この人物は、BINANCEのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOが過去のインタビューで「銀行に不信感を抱いていて、自分の会社の口座が凍結されることを懸念している」と話したことを挙げており、そのような理由からBINANCEは現金を仮想通貨を変えていて、その過程で顧客資産と企業収益が混同されていると語っています。

バイナンス関係者は「根拠が非常に薄い」と批判

今回の報道内容については、BINANCEの最高コミュニケーション責任者であるPatrick Hillmann氏も2023年5月23日のツイートでコメントしています。

Patrick Hillmann氏は今回のツイートで「ロイターの記事は非常に根拠が薄い内容である」と指摘しており、BUSDの件についても「ページに明記されていた」と反論しています。


ロイターがネガティブな記事を掲載するためにどれほど必死なのか説明させてください。彼らの今朝の記事の基盤となっているのは「ユーザーがバイナンスからBUSD(Paxos)を購入する際に”deposit”という用語が表示された取引ページに移動させられた」というものです。ユーザーはPaxosで換金可能なステーブルコインを購入したのであり、このことはページに明記されていました。

この記事は非常に根拠が薄い内容であり、彼らは名誉毀損の訴訟から身を守るために「ロイターはBINANCEの顧客資産が失われたり奪われたりした証拠を見つけられなかった」と前面に記載せざるを得ない状況となっていました。

彼らはそれに続いて、”元インサイダー”以外の証拠は何もないのに1,000語の陰謀論(私たちが虚偽であると説明した)を掲載しています。

当社が過去に規制上の問題を公に認めてきたことは周知の事実であり、ロイターのような信頼できる報道機関がでっち上げの記事を続ける理由はありません。

また、CZが12歳からカナダに移り住んだことには触れずにCZの人種を強調する外国人嫌いの考え方は、枕カバーに包まれたハンマーと同じくらい微妙なものです。

なお、Patrick Hillmann氏は今回のツイートのコメント欄で『私たちは顧客資産と企業資産を完全に別の台帳で保管している』とも説明しており、『私たちは彼らの情報源が誰であるかを知っている。それが公になった時、ロイターは恥をかくことになるだろう』とも語っています。

ロイター報道

CEOが語る「人々がBINANCEのFUDを広げる理由」

参照元:ニュース – 仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

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