Bittrex「米国市場からの撤退」を発表|暗号資産規制などから事業継続困難と判断
暗号資産取引所Bittrex(ビットトレックス)は2023年4月1日に、米国の事業を縮小するためのプロセスを開始し、2023年4月30日にアメリカ居住者向けの仮想通貨取引サービスを終了することを発表しました。
こちらから読む:規制など仮想通貨関連の記事を新着順で「暗号資産」関連ニュース
米規制環境下での取引所運営は実現不可能
Bittrex(ビットトレックス)は2023年4月1日に、米国の事業を縮小するためのプロセスを開始し、2023年4月30日にアメリカ居住者向けの仮想通貨取引サービスを終了することを発表しました。
米国事業閉鎖の理由としては「アメリカの仮想通貨規制が不透明であること」などが挙げられており、『現在の米国の規制や経済環境の中で事業を継続することは採算が合わず経済的に不可能だ』と説明されています。
アメリカ政府の仮想通貨規制に対しては、数年前から「仮想通貨規制を明確化してほしい」などの意見が数多く出ていましたが、現状は既存の金融規制が仮想通貨に適用されており、最近では「Coinbase」や「BINANCE」などの大手暗号資産取引所に対する警告・訴訟も報告されています。
Bittrexはグローバルユーザー向けに「Bittrex Global」を展開していますが、米国での仮想通貨取引所運営はもはや実現不可能であるため、今後は「Bittrex Global」が米国外で成功できるようにするための取り組みに注力する予定だとされています。
アメリカの仮想通貨規制に関する記事はこちら
米国ユーザーに「4月末までの出金」など求める
アメリカでの事業は閉鎖されることになるものの、全ての顧客資産は安全に保管されているとのことで、本人確認手続きが完了しているユーザーに資産を返還するための準備もできていると説明されています。
米国のBittrexユーザーは現地時間2023年4月14日までは取引ができるとのことですが、14日以降は暗号資産の取引ができなくなるとのことで、法定通貨の電信送金は2023年4月24日に停止、法定通貨のACH送金は2023年4月27日に停止、暗号資産の出金対応は2023年4月29日までで、2023年4月30日までには全ての資産を引き出す必要があるとされています。
また、2023年4月14日以降にはオープンポジションが全てクローズされ、保留中の注文もキャンセルされる予定で、予想外の遅延などが発生した場合に備えて対象ユーザーには早めに出金などの対応を行うことが求められています。
なお、Bittrexは今回の発表の中で同社が「安全で公平な暗号資産取引プラットフォーム」としてサービスを提供し続けてきたことも説明しており、『これまでにも隠された取引は行われておらず、特別扱いをしたことなく、短絡的な行動も行なってはいない』との説明が行われています。
ここ最近で仮想通貨関連企業に対する警告・訴訟が米国で多数発表されていることなどを考えると、今後はさらに多くの暗号資産取引所が米国市場から撤退する可能性もあると考えられます。
仮想通貨規制関連の注目記事はこちら