Lido、流入量急増によりデポジット一時停止する安全装置作動
Lidoの流入量が急増し、デポジットが一時停止に
イーサリアム(Ethereum)のリキッドステーキングサービス「リド(Lido)」において1日あたりのデポジット量が上限を超えたため、「ステーキングレートリミット(Staking Rate Limit)」と呼ばれる安全装置が発動した。「リド」開発元のリドファイナンス(Lido Finance)より2月25日発表された。
「リド」は、流動性を維持したままイーサリアムのステーキングを行うことができるサービスである。ユーザーは「リド」にETHをデポジットし、「リド」はその量に応じてstETHと呼ばれるトークンをユーザーに付与する。さらにリドはユーザーから集めたETHをイーサリアムのビーコンチェーンにステークし、そこで得られたステーキング報酬をユーザーに分配する仕組みとなっている。
リドファイナンスによると、「リド」では1日にデポジット可能なETHの量の上限値を15万ETHとしており、これを超えると新たなデポジットが一時的に停止される仕組みを採用しているとのこと。この上限値は「直近24時間のデポジット量」に対して設定されるため、ブロックが追加されるごとにデポジット可能容量が解放されていくとのことだ。
「ステーキングレートリミット」が作動することにより、大々的にデポジットの停止を行うことなく、stETHの急激な発行によるステーキング報酬の希薄化などの問題に対処することができるという。今回初めてこの上限値を超えるデポジットが行われたが、正常に「ステーキングレートリミット」が発動したとのことだ。
現在「リド」には約563万ETHがデポジットされており、「リド」はイーサリアムのリキッドステーキングサービスの中で約75%のシェアを占めるプロトコルとなっている。またリドファイナンスは、今年3月に実施される予定のイーサリアムのシャペラ(Shapella)アップグレードに合わせて、出金機能(stETHとETHの交換機能)を実装する計画を発表している。
拡大するリキッドステーキングサービス
Defiラマ(DefiLlama)によると、現在イーサリアムの総ステーク量は約270億ドル(約3.7兆円)に相当する1686万ETHとなっており、そのうちリキッドステーキングサービスを介したステーク量は約44%の756万ETH(約1.6兆円)となっている。
またDeFi全体で見ると、リキッドステーキングサービスは分散型取引所(DEX)に次いで2番目に大きなTVL(約2兆円)を持つカテゴリとなっており、その存在感を強めている。
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参考:Lido Finance・DefiLlama
デザイン:一本寿和
images:iStocks/SasinParaksa
参照元:ニュース – あたらしい経済