バイナンス、準備金を保有証明する「Proof of Reserves」リリース

バイナンスがProof of Reservesリリース

大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、「プルーフオブリザーブス(Proof of Reserves:PoR)」のリリースを11月25日発表した。

このシステムは文字通り「準備金の証明」を行うことが目的で、バイナンスが全ユーザーからの預かり資産に対して1対1以上の準備金を保有していることを証明するためのものだという。

「PoR」のリリース段階では、ビットコイン(BTC)の保有証明から開始されている。今後はイーサリアム(ETH)やテザー(USDT)、USドルコイン(USDC)、バイナンスUSドル(BUSD)、バイナンスコイン(BNB)などの暗号資産やネットワークについてもサポート追加される予定とのことだ。

また今回の発表では、バイナンスが保有するビットコインの準備金保有状況も公開されている。11月22日23:59(UTC)時点において顧客の純残高が「575,742.4228 BTC」であるのに対し、オンチェーンリザーブで「582,485.9302 BTC」の資産が確保されており、ビットコインに対する資金の保有割合は101%であることが報告されている。

「PoR」の今後の計画としては、2週間以内にビットコイン以外の暗号資産を追加する他、同システムについて第3者機関から監査人を関与させるという。また「PoR」に「ZK-SNARK(ズィーケースナーク)」を実装するとのことで、これによりプライバシーと堅牢性を向上させて各ユーザーの総純残高(USD)がマイナスでないことを証明するとのことだ。なお「ZK-SNARK」とは、ゼロ知識証明の技術を用いたプライバシー保護技術である。

なお「プルーフオブリザーブス」のリリースには、大手暗号資産取引所FTXの経営破綻が背景にある。

バイナンスのCEOである「CZ」ことチャンポン・ジオ(Changpeng Zhao)氏は、FTX騒動の際に「全ての暗号資産取引所が準備金の証明を行う必要がある」と主張。同氏は「銀行が準備金を投融資に回し運営を行うが、暗号資産取引所はそれをすべきでない」と述べ、近くバイナンスが準備金を証明し、完全な透明性を示すことを明かしていた。

そしてその後10日にはバイナンスが保有する資産の一部である、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、バイナンスUSドル(BUSD)、バイナンスコイン(BNB)、テザー(USDT)、USドルコイン(USDC)のウォレットアドレスおよび残高を公開していた。

関連ニュース

バイナンスが暗号資産業界復興ファンド(IRI)に10億ドル拠出、ポリゴン(Matic)、アニモカ、アプトス(APT)らも参加予定

バイナンス、FTX破産への意図的な加担を否定。英国議会に文書提出

バイナンスCZ、FTX破産の影響受けたプロジェクト支援の「事業再生基金」設立を表明

「暗号資産業界には明確な規制必要」、バイナンスCZが指摘

「手に負えない」バイナンスがFTX買収の方針を撤回

参考:バイナンス
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Ploystock

参照元:ニュース – あたらしい経済

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です