香港の仮想通貨規制緩和とビットコインETFはどのような影響をもたらすのか?

どうも墨汁うまい(@bokujyuumai)です。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)は10月末から短期的に上昇を続けており、特にイーサリアムはマージ(The Merge)後のネットワークの構造変更によるデフレでビットコイン以上のパフォーマンスを記録しています。

この背景に香港の「仮想通貨規制緩和方針」が影響していると言えるでしょう。本稿では中国及び香港の仮想通貨規制の現状と今後のビットコインへの影響について分かりやすく解説を行います。

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香港と中国の仮想通貨規制の歴史

香港は知られているように「中国の特別行政区」であり、規制や検閲の厳しい中国本土とは異なる政府を持ちます。ですが2017年の中国本土における仮想通貨禁止による影響は非常に強く、香港をベースとしていた仮想通貨取引所は次々にイギリス領ヴァージン諸島やシンガポールなどに法人を移していきました。

香港においての現在の仮想通貨は禁止はされていないものの、中国本土の影響を受けて個人投資家は仮想通貨の投資家を許可されておらず、プロフェッショナル投資家としてポートフォリオで800万香港ドル(約1億5,000万円)という条件を満たす場合のみ投資をすることができるのです。

つまり仮想通貨取引所も顧客からの収益が期待できず、さらに2019年から2020年の香港デモで知られる「逃亡犯条例改正案などを含む中国本土からの五大要求」からみて分かるように、検閲や規制対象となるか分からないというリスクからも、香港で創立されたテザー社で知られるBitfinexはイギリス領ヴァージン諸島、レバレッジ100倍で一躍有名となったBitMEXはセーシェル共和国に登記を移したのです。

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香港の仮想通貨規制緩和

2022年10月17日に開催されたカンファレンス「インベスト香港(InvestHK)」に登壇した香港証券先物委員会(SFC)の関係者が登壇しており、高度な自治が認められた香港は中国本土とは規制方針も異なるとし、現在の約4年にわたる厳しい仮想通貨規制を緩和していく方針を発表。

さらに31日には香港政府が規制緩和に向けた専門家の公開協議会を発足したと声明を正式に発表しており、「香港を仮想通貨の中心に」というコンセプトの本気具合が伺えるでしょう。

また中国の北京で2013年に創業した元中国三大仮想通貨取引所の一角「Huobi」は同様に中国当局による取締を恐れてセーシェル共和国に登記を移したものの、2022年10月初旬に香港のファンドである「M&A Funds」が買収しました。

この背景には香港の仮想通貨規制緩和の1つに「仮想通貨取引所を登録性としてライセンスを発行する」という項目が含まれていることが理由ということになり、離れていたった仮想通貨取引所が香港に戻ってくるということを示しています。

ビットコインETFの承認の可能性を示唆

一方で中国としての仮想通貨禁止は現在の中国人民元における海外送金の強い規制を掻い潜ることを懸念したもので、中国政府との関係性を考慮しても香港証券先物委員会(SFC)としてはこの点を考慮しておく必要があるでしょう。

そこで仮想通貨を直接保有することなく、リスクやマネジメントコストを削減して安全にビットコインやイーサリアムに投資ができ、体外的な関係性を維持しつつ「仮想通貨の世界的中心」という方針に見合う「仮想通貨ETF(上場投資信託)」の承認の可能性について香港政府は言及しいます。

例えば香港でビットコインETFが承認されれば、バイナンスやFTXのような最大手仮想通貨取引所との顧客の奪い合いは、株式投資家という新たな潜在顧客層をリーチすることができるというメリットもあります。

従って中国本土からの個人投資家のチャイナマネーの復活というより、短期的には香港での資金流入があり、中長期的には香港の中国本土に反する仮想通貨規制の方針による話題性や仮想通貨スタートアップが戻ってくることでの資金流入につながると考えることができるでしょう。

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