メタバースプロジェクト取引高80%減少もNFT販売数は微減、ダップレーダーがレポート発表

分散型アプリケーション(DApps)やNFTなどの分析を行っているダップレーダー(DappRadar)は10月20日、最近のメタバースの需要の変化に関するレポートを公表した。

メタバースの土地価格は3Qに大きく下落

今回のレポートでは、2022年第3四半期におけるメタバースプロジェクトの取引高や販売数についても調べている。トップ10のメタバースプロジェクトの第3四半期の取引高は前四半期と比較して平均で約80%減少、一方で販売数は平均で11.55%減少したことが明らかになった。同社はこの調査結果について、「原因は関心の低下ではなく、仮想通貨の価値の下落がメタバース関連のプロジェクトの全体的な取引量に影響を及ぼしていた」とコメントした。

また土地の価格変動については、メタバースプロジェクトの1つであるアザーサイド(Otherside)の土地の最低価格が、9月30日段階で1.62ETH(約39万円)と、5月末から66.60%下落した。サンドボックス(The Sandbox)とディセットラランド(Decentraland)の土地最低価格も5月1日からそれぞれ41.44%(約35万円)、56.05%(約34万円)下落した。しかし、ザ・サンドボックスのETH価格を見ると、実際には2.90%上昇していた。

政府がブロックチェーンやメタバースを採用する例も

今回のレポートでは、資金調達額についての調査結果も公表している。資金調達額では、2022年の現時点まで、ブロックチェーンゲームとメタバースプロジェクトは約70億ドル(約1兆円)を調達しているという。第3四半期の資金調達額は、今年で最も低い数字だったとしても12億ドル(約1,800億円)に到達する見込み。

さらに第3四半期に行われた投資先の内訳は、ブロックチェーンゲームとメタバースプロジェクトが最も多く、合計で38.5%の資金を獲得している。他の投資先としては、インフラ関連が33.5%、投資会社が22.9%、残りの5%はメディアとNFTだ。

また同社は、第3四半期の特長の一つとして、複数のブランドがブロックチェーンやメタバースを採用したことを挙げている。ウォルト・ディズニーのスタートアップ支援プログラムである「ディズニー・アクセラレーター・プログラム」に今年は、ポリゴン(Polygon)やNFTのARソーシャルメディアアプリのフリックプレイ(Flickplay)、スタートアップ企業のロッカーバース(Lockerverse)といったWeb3企業3社などが選ばれた。

その他にもチケット販売会社のチケットマスター(Ticketmaster)、アメリカのスーパーマーケットチェーンであるウォルマート(Walmart)、自動車メーカーのフォード(Ford)などもブロックチェーンやメタバース参入準備を進めている。またダップレーダーは同レポートのなかで、「政府がブロックチェーンやメタバースを採用する例も見られており、特にアジア経済圏での採用が目立つ」という見解を示した。

参考
Metaverse Report #2: Demand for Metaverse Remains Amidst Crypto Turmoil

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