Web3は2030年には12兆円規模にまで拡大、市場の見通しと課題

世界のWeb3マーケットは、2021年に約32億ドル(約4,640億円)に到達してから、今後年平均成長率40%程度の伸びを見せ、2030年までには800億ドル(約11兆6,000億円)規模にまで拡大すると予測されています。

市場調査とコンサルティング業務を展開するエマージェン・リサーチ(Emergen Research)社のレポートによると、Web3マーケットのポテンシャルを考えると可能性は高いということですが、その前に解決すべき大きな課題もいくつか残っているようです。その中で最も重視すべき、相互運用性とセキュリティ対策についてレポートの内容を検証します。

Web3マーケットに求められる相互運用性

相互運用性の問題はWeb2マーケットでも最重要の課題であり、各ネットワークは互いのブロックチェーンで、効率的にコミュニケーションを図る方法を常に模索しています。
ポルカドット(Polkadot)のパラチェーン開発プロジェクトであるムーンビーム(Moonbeam)の役員は、Web3マーケットを成功に導くためには、複雑なインフラを排除した上で、コミュニケーションを向上させることが必要だと述べています。

一方で、ブロックチェーン・ゲーム開発企業イミュータブル(Immutable)の役員は、相互運用性を高めることにより、今度はセキュリティに関わる別な課題が生じる可能性を指摘しています。
彼の説明によると、1つ以上のリンクを含むWeb3マーケットを構築すると、少なくともそのうちの1つには不具合が発生する可能性があるそうです。1度不具合が発生すると、ブロックチェーンを悪用する者が現れ、セキュリティシステムに重大なリスクが生じる危険性があるのです。

セキュリティ問題は短期間で解決可能?

エマージェン・リサーチ社のレポートによると、すでにWeb3において最適なセキュリティを保証する手段は存在するそうで、さらに相互運用性を高めるための効果的な解決策も、すでに開発されているとのことです。こうした暗号資産(仮想通貨)分野に関わる多くの問題を取り扱う機能も採用されています。NFTの分野では、マーケットプレイスで別々のチェーンを通じて作品を売買する場合、ユーザーは実際にデジタル・アートを移動することなく売買できます。

分散型金融(DeFi)の分野では、ユーザーは1つ以上のデジタル資産で構成された流動性プールを利用できます。Web3エコシステムのゲーム分野では、相互運用性を使ってゲームをカスタマイズすることも可能です。別々のプラットフォームをつないでユーザーが1つのキャラクターを複数のゲームで使用することもできます。

参考
Global Web 3.0 Market Size to Reach USD 81.5 Billion in 2030 | Emergen Research

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