Web3起業家は何故シンガポール・ドバイへ渡るのか?日本を離れる理由をわかりやすく解説

近年、注目を集めているWeb3。しかし。Web3関連の事業を行う起業家は日本ではなくシンガポール・ドバイに渡って登記しているのをよく見かけるようになりました。

いったい何故、Web3起業家はこぞって日本を出るのでしょうか。

今回はWeb3起業家たちが何故シンガポール・ドバイへ渡って起業しているのかを解説します。

日本ではなく、シンガポール・ドバイで登記する理由

Web3起業家が日本から出てシンガポール・ドバイで起業し登記するには明確な理由があります。中でも以下の3つに関しては共通して認識されている壁です。

  • 税制
  • 暗号資産を活用したビジネスへのライセンス規制
  • スタートアップへの豊富な国家支援

これらによって起業家はどうしても日本から出ざるを得ない選択を迫られています。ではどのような理由なのか、詳しく見ていきましょう。

税制

日本で起業しない大きな理由として考えられるのが税制です。企業の場合、法人としてかかってくる期末課税が大きな障害となっています。

なぜなら、法人が期末に仮想通貨を持っているだけで課税されるからです。

これは非常に大きく、期末の時点で所持している仮想通貨の金額の30%が課税されます。俗に言う含み益に対する課税です。
仮想通貨は所持しているだけでは意味がなく、流通させることで利益が発生します。そのため、所持しているだけで課税されるというのは、Web3関連企業にとって大きなマイナスとなるのです。

一方、シンガポール・ドバイでは所持しているだけでは税金がかかりません。Web3関連の事業をするにあたって非常に良い条件が整っているのです。

日本では最初から税制によってWeb3起業の夢が潰されているといっても過言ではありません。

暗号資産を活用したビジネスへのライセンス規制

日本では暗号資産を交換・媒介するライセンスが必要です。しかしそのライセンスを取得するのに1年〜2年ほどかかってしまいます。

そこから更に発行した暗号資産を日本国内の取引所に上場し、一般の国内ユーザーが購入できるようになるまでは更なる年月がかかります。

Webの世界においてこの年月は非常に致命的であり、Web3.0の世界で1年は10年に等しいほど市場が大きく変わって行きます。

ライセンス取得まで時間かかることは、ビジネスチャンスを逃すことと同じ意味となります。

つまりライセンス規制はそのままスピード感の無さでもあり、日本での企業が難しいと判断される所以ともなっています。

スタートアップへの豊富な国家支援

日本ではWeb3のスタートアップ企業に対して十分な国家支援がなされていません。

一方のシンガポールでは、Web3のDeFi(分散型金融)やDAO(自立分散型組織)が金融の未来になる可能性があると考え、リスクを承知して事業を推進しています。
ドバイでは「ドバイ・メタバース戦略」として、メタバースを利用して今後5年間で4万人の新たな雇用を創出すると宣言しておりその関連企業も5倍に増やす方針を指名しています。メタバース経済において世界TOP10の都市を目指すのですから、その本気度がうかがえますね。

このように他国では熱心にWeb3事業者へ国家を挙げて指針を掲げ、推進しています。しかし日本ではまだそこまでの動きがなく、大きく出遅れている状態です。

シンガポールに拠点を置くWeb3関連企業5選

シンガポールに拠点を置くWeb3起業は多くありますが、ここからは代表的な企業を5つ紹介します。

  • Stake Technologies Pte.Ltd.
  • Digital Entertainment Asset Pte.Ltd.
  • Arriba Studio Pte.Ltd.
  • Sakura Guild Games Pte.Ltd.
  • Oasys Pte. Ltd.

それぞれ事業内容や概要/特徴まで詳しく解説します。

Stake Technologies Pte.Ltd.

HP:https://stake.co.jp/
公式Twitter:https://twitter.com/staketech_jp
設立:2019年1月
事業内容:ブロックチェーンのプロトコル開発およびコンサルティング

Stake Technologies Pte.Ltd.は、渡邉創太氏によって設立されたWeb3の事業を中心に扱っている企業です。ブロックチェーン技術と経済学の知見を利用し、ブロックチェーンのプロトコル開発およびコンサルティングを行っています。簡単に言うと、ブロックチェーンのインフラ開発事業です。
Astar Network」や「Shiden Network」という独自に開発した国産ブロックチェーンは、様々な企業から注目を集めています。

Digital Entertainment Asset Pte.Ltd.

HP:https://dea.sg/jp/
公式Twitter:https://twitter.com/PlayMining_JP
設立:2018年8月
事業内容:ブロックチェーンゲームの開発・運営

Digital Entertainment Asset Pte.Ltd.は、NFTを活用したブロックチェーンゲームの開発・運営を手がけています。プラットフォームである「PlayMining」の登録ユーザーは70万人を超え、ブロックチェーンゲーム業界での存在感を徐々に増しています。
2021年には株式会社クリーク・アンド・リバー社から出資を受けたことでも話題になりました。

シンガポールを拠点とし、ゲームだけでなくエンターテインメント全般を生み出す企業として「エンターテインメント・トランスフォーメー0ション(EX)の事業展開を目指しています。

Arriba Studio Pte.Ltd.

HP:https://arriba.studio/
公式Twitter:https://twitter.com/arriba_studio
設立:2022年3月
事業内容:Web3事業のスタートアップ育成

Arriba Studio Pte.Ltd.は、シンガポールと東京に拠点を置くWeb3/NFTの起業家支援に特化した企業です。日本の企業がWeb3に遅れていることに注目し、法務的・税務的に支援する事業を展開しています。
JBA(日本ブロックチェーン協会)の正会員であり、様々な企業を支援してきた実績があります。

2022年7月現在において40社以上のプロジェクトを支援していることもあり、今後Web3/NFTへの参入を考えている企業の強い味方となってくれるでしょう。

Sakura Guild Games Pte.Ltd.

HP:https://sakuraguild.io/
公式Twitter:https://mobile.twitter.com/sakuraguild_jp
設立:2022年2月
事業内容:NFT貸出、マーケティングサポート事業

Sakura Guild Games Pte.Ltd.は、シンガポールに拠点を置くギルド(団体)です。世界6つの大手協会に加盟し、ゲームを中心にプレイヤーの支援を行っています。
特に「Job Tribes」では公認ギルドとなっており、世界最多の約2,000人のプレイヤーにNFTを貸し出した実績を持ちます。

プレイヤーはNFTを借りてゲームを優位に進めて暗号資産を稼ぎ、その報酬の配分を受け取る仕組みです。気軽にNFTで報酬を稼ぐ仕組みとして人気を集めていくと予想できます。

Oasys Pte. Ltd.

HP:https://www.oasys.games/
公式Twitter:https://twitter.com/oasys_games
設立:2022年1月
事業内容:ブロックチェーンゲームの環境提供

Oasys Pte. Ltd.は、ブロックチェーンゲームをコンセプトに据えたゲームに特化したシンガポールに本社を置く企業です。

初期バリデータ(チェーン運用主体)は、バンダイナムコ研究所など大手ゲーム会社やWeb3企業など計21社で公正されています。

独自のアーキテクチャを用いており、ブロックチェーンゲームのユーザーに対して取引手数料の無料化と取引処理の高速化を実現。結果、ユーザーにとって快適な環境の構築に成功しています。
従来、ユーザーの大きな負担となっていた取引手数料が解決するため、今後多くの企業から注目を集めると予想できます。

最後に

最近、Web3の起業家が日本ではなくシンガポールやドバイなどで起業し、サービスを展開していることをよく目にするようになってきました。

その大きな理由として立ち塞がっているのが、日本にある税制・ライセンス規制といった企業を妨げる方針の数々です。
従来ならば円滑に作用していたそれらも、スピードが求められるWeb3の世界においては足かせとなってしまっているのです。
そのため、シンガポールやドバイといった暗号資産に将来性を見出し力を入れている国で起業するケースが後を絶ちません。

日本はこのままの税制や制度では問題があることに気づいているでしょう。
しかし、今後の日本の政策を変えていくためにも、我々Web3関連の事業を行っている人や企業が積極的に声を上げていく必要があると思います。

引き続き、今後の日本の政策に注目していきたいと思います。

参照元:NFT Media

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