米規制当局、バーチャルカジノ運営会社へNFT販売停止命令
米規制当局、バーチャルカジノ運営会社へNFT販売停止命令
米国テキサス州とアラバマ州の証券規制当局が、オンラインカジノ開発会社に対し、NFTの販売停止を命じた。販売停止を伝えたのは4月13日で、両州の規制当局は未登録の証券を違法に提供し、一般人を欺いていると申し立てた。
キプロスに本拠を置く「サンドベガスカジノクラブ(Sand Vegas Casino Club)」の共同設立者マルティン・シュヴァルツベルガー(Martin Schwarzberger)氏と、フィン・ルーベン・ワーンケ(Finn Ruben Warnke)氏は、メタバースにバーチャルカジノを構築する資金調達のために、「ハイテク詐欺商法」として11,111個のNFTを提供したとされている。
また「NFTは証券ではないと購入希望者に伝えているようです」と、テキサス州証券委員会は声明で述べている。
規制当局によれば、このバーチャルカジノクラブは、提供する2種類のNFT「ギャンブラーNFTとゴールデンギャンブラーNFT」の購入者にバーチャルカジノの利益を分配すると約束し、毎年8万1000ドル(約100万円)もの収益を見込んでいたとのことだ。
シュワルツバーガー氏はロイターに対し「サンドベガスは証券取引委員会(SEC)だけでなく、州の規制当局へのコンプライアンス準拠に向けて取り組んでいます」とメールで語った。
さらに同氏は「この状況を解決し、もしかすると他のNFTプロジェクトに先駆け、先頭に立って進めるかもしれないという強い自信さえあります」と説明した。
今回の規制当局からの排除措置命令は、メタバースに関連するものとしては米国で初めてのものと思われる。また、デジタルアートなどの資産を表すブロックチェーンベースのトークンであるNFTを取り締まろうとする米国当局にとって、新たな未開拓領域だ。
先月、110万ドル(約1.4億円)相当のNFT購入者をだまし取ったとして、2人の男が逮捕・起訴された。今回のケースは比較的小規模なものだが、州政府の動きは連邦政府規制当局の関心も呼び起こすだろう。
NFTは投資家の関心が急増しており、証券取引委員会(SEC)は、場合によっては証券とみなすことができるかどうかの正式なガイダンスをまだ示していない。
NFT最大のマーケットプレイスであるオープンシー(OpenSea)の広報担当者は「サンドベガスのNFTコレクションは、私たちのサービス規約に違反しているため、Sand Vegasトークンの売買と譲渡を無効にしました」と説明している。
テキサス州証券局の執行ディレクターであるジョー・ロタンダ(Joe Rotunda)氏は「規制当局はメタバースにおける証券的な募集の方法を多数発見しています」と述べている。
さらに同氏は「NFTは規制当局も注目する分野です。私たちは提供物を調査し、必要に応じて強制措置を計画するために州間で調整しています」とロイターに伝えている。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
State securities regulators order virtual casino firm to stop selling NFTs
By Chris Prentice
(Reporting by Chris Prentice; Editing by Aurora Ellis)
翻訳:竹田匡宏(あたらしい経済)
images:Reuters
参照元:ニュース – あたらしい経済