金融庁が資金決済法「改正案」提出、ステーブルコイン取引業に規制方針も

金融庁が資金決済法の改正案提出

金融庁が「資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案」を3月4日提出した。ステーブルコインの取引業を行うにあたり、業者登録制を導入する案も盛り込まれた。

この改正案は「金融のデジタル化等に対応し、安定的かつ効率的な資金決済制度を構築する必要がある」とし提出された。

同改正案の概要には、その必要性の背景として、3つの理由が挙げられている。

1.「海外における電子的支払手段(いわゆるステーブルコイン)の発行・流通の増加」2.「銀行等における取引モニタリング等の更なる実効性向上の必要性の高まり」3.「高額で価値の電子的な移転が可能な前払式支払手段の広がり」だ。

なお「海外における電子的支払手段の発行・流通の増加」への対応は、利用者保護等に課題があるとの指摘を受け考案されたもので「電子決済手段等取引業等の創設」を行うという。

電子決済手段等取引業を創設することで、電子決済手段等の発行者(銀行・信託会社等)と利用者との間に立ち、電子決済手段の売買・交換、管理、媒介等や、銀行等を代理して預金債権等の増減を行う行為をする仲介者へ、登録制を導入するという。

これにより、適切な利用者保護等を確保するとともに、分散台帳技術等を活用した金融イノベーションに向けた取組み等を促進する狙いだとのこと。

昨年12月の報道によると、金融庁のこの動きは、先行して規制強化の流れが強まっている米国にあわせたものであるとされている。ステーブルコインの取引・管理を担う仲介業者を監督対象に加えることにより、利用者の本人確認や、犯罪の疑いのある取引の報告など、犯罪収益移転防止法(犯収法)で定められた措置を求めるという。

また2つ目の「銀行等における取引モニタリング等の更なる実効性向上の必要性の高まり」については、現在銀行界においてマネロン対応の共同化の動きがあることから対応するとのこと。

顧客の制裁対象者該当性の分析等(取引フィルタリング)と「疑わしい取引」該当性の分析等(取引モニタリング)の行為を共同化し為替取引分析業者を創設。また業務運営の質を確保する観点から、同業者には許可制を導入するとのことだ。

そして「高額電子移転可能型前払式支払手段の広がり」への対応については、同手段発行者について、不正利用の防止等を求める観点から、業務実施計画の届出、犯罪収益移転防止法の取引時確認義務等に関する規定を整備するとしている。

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参考:金融庁
デザイン:一本寿和
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参照元:ニュース – あたらしい経済

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