「ビットコイン(BTC)下落に動じず」長期保有者とクジラは蓄積モードに?
暗号資産(仮想通貨)市場は52%もの価格調整により、2021年7月以来最大の値下がりを記録しました。しかし長期的な弱気市場を予測する見方がある一方で、いくつかの信頼性の高いインジケーターは、長期的投資家がこの状況に動じていないことと、クジラは仮想通貨を買い続けていることを示唆しています。
下落時におけるビットコイン(BTC)の保有状況
ブロックチェーン分析企業のイントゥ・ザ・ブロック(Into The Block)は、少なくとも1年以上にわたって資産を保持し続けているアドレスを分類しています。同社のデータによると、長期的保有者の増加は価格を維持するか上昇することを示しており、それが価値の保存資産の重要な特徴であると考えられます。
ビットコイン(BTC)のケースでは、価格のボラティリティにもかかわらず、長期的保有者は堅実に増加しており、2020年3月の急激な下落や最近の価格調整にも屈することなく増加しています。
2021年11月から続く長期的下落の中、直近の30日間に限ってみると長期的保有者の数は3.02%増加しています。これは移動していないビットコインの割合を分析すると、より状況が明らかになります。
UTXOインジケーター(Unspent Transaction Output indicator)は、時間軸に沿って、生成されるトランザクションの出来高をカウントし、それを分類する指標です。この指標を使い、それぞれのトークンが1つのアドレスから別のアドレスに移動してから、どれくらいの時間が経過したのかを基準にして分類することができます。
直近のデータでは、少なくとも12ヵ月間移動していないビットコインは、全体の60%にも達していて2020年3月の下落時よりも高い水準になっています。
大口投資家は蓄積モードにシフト
長期保有者が現在の価格動向に動じていないとすると、次に考えるべきなのは、彼らがビットコインを集めに動くかどうかです。
データを見てみると現在の長期的保有者の動きは、過去のパターンと重なっていることが分かります。そのパターンの一例を挙げてみましょう。
・2020年3月の下落時には、多くの個人投資家が恐慌を来す中、当時の長期保有者は同年10月までに、おおよそ100万BTCを蓄積しました。
・その後2021年初に保有資産の一部を少しずつ売りに出しましたが、再度11月にビットコインが下落すると再び集めに転じています。
・直近の30日間では、彼らのビットコイン保有量は4.55%ほど増加しています。
長期保有者が資産を増やすにつれて、1,000〜10,000BTCを保有するアドレスの保有量も増加する蓄積パターンになります。その根拠を以下に示します。
・1,000~10,000BTC以上を保有するアドレスは、機関投資家もしくは仮想通貨界で言うところのクジラと呼ばれる投資家です。
・彼らは価格下落後の売買では保有資産を減らす傾向にあり、その後辛抱強くより低い価格で買いに動くチャンスを待ちます。
・直近の30日間では、彼らのビットコイン保有量は1.03%上昇し、総資産は526万BTC増加しました。
市場の低迷はよくあることですが、賢明な投資家であれば信頼できるインジケーターを注視して、直近の動向と今後の展開から生じる価値を見極めることが重要です。
参考
・Long-Term Holders and Whales Continue Accumulating Despite the Bitcoin Crash (Research)
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