米FRBはデジタルドルの発行についてまだ「一致した見解はない」とイエレン財務長官
ジャネット・イエレン米財務長官はロイターネクスト会議(12月3日)で、米連邦準備制度理事会(FRB)が中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行すべきかどうか意見をまとめていないと語りました。イエレン財務長官は、デジタルドルには「いくつかの利点があり、重要なコストもある」と述べています。
デジタルドル発行は上下両院とFRB、ホワイトハウスのコンセンサスが必要
イエレン財務長官は、CBDC発行の決定には上下両院、中央銀行(ここではFRB)そしてホワイトハウスとの間で広範な合意が必要であると力説しました。同長官は、銀行システムへの影響を含めて、米国がCBDCを持つことの利点と欠点について、より多くの研究が必要であると考えています。同長官はその点ついて、「賛否両論があり、私自身はそれについて態度を決めかねている」と語りました。
大西洋評議会のジオエコノミックセンターによると、(世界のGDPの90%余りを占める)87カ国が現在までにCBDCの開発に何らか関与しています。
FRBのラエル・ブレイナード理事は、FRBに対してデジタルドルの開発を至急始めるべきだと呼びかけました。同氏は7月、中国やその他諸国がいるのに、米国はなぜCBDCの開発を積極的に進めないのか理解しがたいとも発言しています。
FRBは近くCBDCに関する報告書公表
2014年-18年にFRB第15代議長を務めた経験のあるイエレン財務長官は、FRBは近くCBDCに関するこれまでの取り組みについて詳述した報告書を発行する見通しであることを明らかにしました。同長官によると、FRBはCBDCの発行に関する合意を進めるためにはコンセンサスが必要であることをよく理解しています。同長官は、FRBがCBDCを開発すべきかどうかの問題はホワイトハウスで真剣に議論されてこなかったとしています。
FRBの少なくとの3人の理事、ミシェル・ボウマンとランダル・クォーレス、クリストファー・ウォーラー各氏は、FRBがCBDCを発行する利点を見出していません。ウォーラー氏は最近、「FRBのCBDCが、決済システムが直面している大きな問題の解決になるか懐疑的である」と語っています。ボウマン氏は、決済システムの安全性と効率性を考えるとCBDCを発行する理由が見つからないと述べています。
FRB議長のジェローム・パウエル氏は9月、デジタルドル研究の進捗状況に関する最新情報をすでに共有しており、CBDCに関して他の諸国に後れを取ってはならないと主張しています。
参考
・US Treasury Secretary Yellen Says She's Undecided Whether the Fed Should Issue Digital Currency
・Federal Reserve Governors Don't See Reason to Issue Central Bank Digital Currency
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