米議会:暗号資産関連の課税条項含む「バイデン政権の大規模インフラ法案」を可決
米国議会下院が2021年11月5日に、仮想通貨分野からの税収予算なども含まれている1兆ドル(約110兆円)規模のインフラ投資法案を可決したことが明らかになりました。この法案には仮想通貨関連への課税条項や厳しい報告義務などが含まれており、暗号資産関連では曖昧な表現も使用されていたため、一部議員からの修正案も提案されていましたが、結果的にそれらの修正案は採用されることなく議会を通貨したと報告されています。
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1兆ドル規模のインフラ投資法案が下院で可決
米国議会下院が2021年11月5日に、仮想通貨分野からの税収予算なども含まれている1兆ドル(約110兆円)規模のインフラ投資法案を可決したことが明らかになりました。この法案は既に上院でも可決されているため、今後はバイデン大統領が署名することによって正式に施行されることになりますが、バイデン大統領は6日の記者会見で『インフラ法案に近く署名する』と語ったとも報告されています。
インフラ投資法案はバイデン政権が最初に提案した主要政策の1つであり、「大量輸送機関・鉄道・空港・港湾・水路などに対する今後5年間で5,500億ドルの投資、高速インターネット回線の整備に対する650億ドルの投資、電力網や水道の改善に対する数百億ドルの投資、電気自動車の充電網建設に対する75億ドルの投資」などの内容が盛り込まれています。
インフラ法案に対する批判・反対について
この法案は「高速道路・道路・橋・公共交通・鉄道・高速インターネット回線・電気自動車の充電スポット・清潔な飲料水などの全国的なネットワーク整備」を目的としたものとなっているものの、「法案の予算規模が大きいこと・仮想通貨など広い範囲への課税条項が含まれていること・仮想通貨コミュニティに厳しい報告義務が課されていること・仮想通貨分野への課税条項で”ブローカー”という曖昧な表現が使用されていること」などから批判や反対の声も出ていました。
インフラ整備には大規模な資金が必要となりますが、この法案はインフラ整備のための資金のうちの280億ドル(約3兆800億円)を暗号資産関連の税務コンプライアンスを強化することによって捻出しようとしているため、仮想通貨業界関係者からは強く反対する意見が出ています。
また、仮想通貨分野への課税条項で使用されている「ブローカー」という表現には「マイナー・ステーカー・ノードバリデータ・トランザクション検証者・ソフトウェア開発者」などといった仮想通貨分野の様々な人々が含まれる可能性があるため、業界では『マイナーなどのサブコミュニティに非現実的な税務報告義務を課すことになる可能性がある』と懸念する声も出ています。
仮想通貨関連内容の修正案は採用されず
このような内容を含めたインフラ投資法案に対しては『この法案は将来の技術革新を脅かす、ひどく欠陥のある、場合によっては実行不可能な仮想通貨の税務報告義務を課すものだ』との批判も出ており、法案の修正案も提案されていたものの、結果的にこの法案は修正されることなく米議会を通過することとなったと報告されています。
ただし、仮想通貨分野への課税は2024年1月から施行されることになるため、業界団体では別の修正案提出に向けた働きかけが行われているとも報告されています。
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