FRBが近くデジタルドル発行計画公表へ、パウエル議長の姿勢は?

FRBが近くデジタルドル発行計画公表へ パウエル議長は推進に前向き

ウォールストリートジャーナル(WS))紙のリポートによると、米連邦準備制度理事会(FRB)は近く、中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルドルの「詳細な発行計画」を公表します。計画の中には、CBDC発行に伴うリスクと利点の見直しが含まれています。またCNBC放送も同様に、FRBが自前のデジタル通貨を発行するか否かの検討を進めており、近くこの問題に関する文書を発表すると伝えています。

米国は世界の経済大国であるが故にCBDC発行に慎重

WSJによると、近く公表される評価文書は、CBDCが米国経済に及ぼす影響について深く検討し、発行に伴うリスクと利益を見直すプロセスについて詳細な計画が含まれています。

WSJのリポートはまた、FRBは見直しを行っても、CBDC発行のテクノロジーに関してFRB当局者の間でメリットをめぐって終わりのない論争が続いており、その実施を確実にする監督権限はないとしています。

デジタルドルプロジェクトを支持し、主張してきた一部の人々は常々、CBDCが国際的な決済にどうすれば役立つのか、あるいは銀行口座を持たない貧困層を金融市場にいかにして招くことができるか問題視してきました。しかし、この重要なCBDCプロジェクトに取り組む際に考慮すべきもう1つの視点は、米国が現在の世界環境の中で経済大国であるという事実です。米国はそれ故に、CBDCの発行に慎重でなくてはなりません。

CBDCで中国に先を越されたが、急がば回れのパウエル議長

世界の多くの国は、CBDCプロジェクトに対する取り組みを強化している中で、この分野での米国の主導性を期待してきました。しかし米国の指導者は、プロジェクト実現の好機を逸して、デジタル人民元プロジェクトで大きな進歩を遂げた中国にその立場を譲ってしまいました。

CNBCによると、FRBのジェローム・パウエル議長は9月22日この件に関して、米ドルが国際市場で果たす役割が理由で、CBDCの利益を研究するのに時間を費やしてきたと語ります。同議長はさらに、「急いでするより、適切に実行するのがより一層重要なことだ」と説明しています。パウエル議長は、最終決定をまだ下していませんが、ほかの諸国が自国のプロジェクトを進めているという理由で、何か急いでするほどのプレッシャーは感じていないとも言います。

ドルの立場が危ういとの見解に反論、CBDCは適切な規制と保証が必要

パウエル議長はまた、デジタルドルの発行が「なすべき仕事の1つである」ことを認めました。またCBDCの発行に関しては、「コストやリスクに勝る明白かつ実際的な利益があった場合」と述べています。

パウエル議長は、「FRBはもっと積極的に行動しなければ、世界の準備通貨としてのドルの立場が危うくなる」という意見があることを十分承知しています。その点について、「公的な通貨に関する限り、適切な規制上の保護措置が実施される確かな保証が必要であり、今日言えることは、一部ケースでまさにそのような状況ではないということである」と語っています。

参考
US Federal Reserve would soon release ‘detailed plans’ for a digital dollar
The Fed is evaluating whether to launch a digital currency and in what form, Powell says

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参照元:CoinChoice

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