中央銀行がビットコイン(BTC)を問題視する未解決の4点とは?
米連邦準備制度理事会(FRB)はじめ世界の多くの中央銀行は今年も、ビットコイン(BTC)をどのように判断するかの結論に達していません。中央銀行行員の多くは、ビットコインは極めて投機的なバブル資産とはねつけますが、その価格や一般利用状況、その他さまざまな指標でも成長し続けています。中央銀行行員が問題視するビットコインの4点をおさらいしましょう。
ビットコイン(BTC)の価値の保存は長期的に見て確か
ビットコインについて、中央銀行行員に限らず最も広く批判対象となる疑問は、「ビットコインが『価値の保存』として機能するには、価格変動(ボラティリティ)が大きすぎる」ということです。FRBのジェローム・パウエル議長は3月の国際決済銀行(BIS)主催の会議で、同様の考え方を強調しました。
価値の保存としての有用性はないという判断について、それにしては長期的なビットコインホルダーが大勢いることは事実です。短期的に見たビットコイン価格は極めて変動が大きく、投機性も高いことは確かですが、4年に1回迎える半減期を通じて、ビットコインを保有する人が損失を被る例は少ないのが現実です。
今年に限って見れば、ビットコインの価格は6万ドルから3万ドルまで大幅下落しましたが、過去数カ月4万ドルまで回復、その価格は過去1年で250%、5年で6000%も跳ね上がっています。ダラス連邦準備銀行のロバート・カプラン総裁はパウエル議長の見解に反して、「ビットコインの価値の保存性は明らかにある」と述べています。
ビットコイン(BTC)は本質的な価値はなく、エネルギー消費も大きすぎる
第2の疑問は、「ビットコインには(それを支える)何らの裏付けもなく、本質的な価値は一切ない」とする批判です。そう主張するパウエル議長によれば、ビットコインはドルというより金(ゴールド)に近いと考えています。ビットコインの本質的な価値の欠如については、イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー総裁、欧州中央銀行(ECB)のルイス・デ・ギンドス副総裁らも同様の見解を示しています。
第3の疑問は、パウエル議長の言う「ビットコインシステムはエネルギーを消費しすぎる」ということです。ビットコイン採掘は、例えばオランダの電力使用量を上回るとの批判です。BIS年次経済報告書によれば、「ビットコインは特に、無駄なエネルギー消費量を考慮すれば、公益属性の償還がほとんどない」ということになります。
BISは「ビットコインの価値提案を理解しない人にとっては、その採掘で利用されるエネルギーはすべて浪費であるとの主張になる。そのような主張は、クリスマス嫌いな人がイルミネーションに使うエネルギーはすべて浪費であると考えるのと何ら相違はない」と述べています。この主張は、ビットコインの存在に何ら価値を見出せない人々にとって唯一有効です。
ビットコイン(BTC)の透明性欠如、犯罪利用の可能性
最後の4番目の疑問は、「ビットコインは透明性に欠落し、犯罪に利用され易い」という主張です。世界銀行スポークスマンは、透明性は仮想通貨の潜在的な問題であると指定し、BIS報告書はマネーロンダリングやランサムウエア攻撃を問題視します。
欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は「ビットコインは極めて投機的な資産であり一部の不正取引あるいは一部の全面的に非難すべきマネーロンダリング活動を遂行する結果になる」と強く批判しています。
参考
・Debunking the 4 Big Bitcoin Myths Promoted By Central Banks in 2021
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参照元:CoinChoice