イーサリアム(ETH)価格高騰は古いアドレス層が引き起こした?ロンドン・ハードフォーク実行で見えた事実
ロンドン・ハードフォークの実行
8月5日に予定通り行われたイーサリアム(ETH)の大型アップデート「ロンドン・ハードフォーク」によって、現在マーケットの注目はイーサリアムに集中しいます。価格も3,000ドル(約32万9,600円)を超える勢いを見せています。5日中は強気の傾向を見せながらも範囲内での価格調整に終始した価格動向でしたが、その後は上昇基調に転じて、24時間で4.47%の値上がりとなりました。
価格上昇の最大要因は、EIP1559の実行に関わる前向きな市場心理でしょう。EIP1559によりトランザクションを行う際には、すべてのユーザーがアルゴリズムで決定された一律の手数料を支払うという基本料金方式に移行します。
また、以前暗号資産(仮想通貨)メディアのコインゲープ(Coingape)が発表したレポートより、マイナーによって支払われた手数料となる1,000ETH以上がかつてバーンされたように、新たに設定される手数料もこれから定期的なバーンの対象になると推測されます。これによりデフレが進行して循環供給量が縮小し、需要と供給が変化することでイーサリアムの価格上昇につながると投資家たちは捉えています。それが前向きの市場心理となり、価格上昇を支えていると考えられます。
価格を動かしているのは古いアドレス層
オンチェーン分析サービスのグラスノード(Glassnode)によると、大方の予想に反して、イーサリアムの新規アドレス数はこの24時間で11.53%減少し、3,161件に留まっています。またアクティブなアドレス数も、7.91%減少して29,267件となっており、このことから今回の価格動向は主にイーサリアムの古いアドレス層によって行われた可能性が示唆されています。
また、コインマーケットキャップ(CoinMarketCap)のデータでは、イーサリアムの出来高が33%以上増加して311億5,000万ドル(約3兆4,224億5,000万円)となる一方、その他のオンチェーン指標の大部分は弱気を示しているため、現在の上昇トレンドが続くかどうかに疑問を抱かせる結果となっています。
しかし今後、分散化金融(DeFi)プロトコルやその他プラットフォームにおいても新たなイーサリアムを用いたインフラを構築していくことでユーザビリティが改善され、さらに多くの投資家がイーサリアムへの期待を高めていくことも考えられます。そのため、アドレスの新旧を問わず、これからはあらゆる事柄がイーサリアムの価格に影響を及ぼすことになるかもしれません。
参考
・On-Chain Data: Ethereum Price Surge is Steered by Old Addresses Stacking Up
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参照元:CoinChoice