仮想通貨への影響は?SWIFTの新サービスの開始を発表
世界の銀行業界が、暗号資産(仮想通貨)と決定的な対決に乗り出す動きが出ています。SWIFT(国際銀行間通信協会)はこのほど、企業や消費者が銀行口座から直接、素早くそして透明性を持って決済処理できる新しいサービスを開始しました。国際決済銀行(BIS)は、新たな「リアルタイム国民決済システム」開始に向けた計画を公開しました。
BISとMASが開発する「Nexus」とは
仮想通貨が持つ国境を越える特質は、銀行や国際機関がうらやむ対象です。BISは7月28日、BISの先端技研究部門であるイノベーションハブ(BISIH)とシンガポール金融管理局(MAS)が、グローバルなリアルタイムリテール決済ネットワーク接続に関する計画を発表しました。2-4年内に実現する見通しです。
プロジェクト名「ネクサス(Nexus)」は、スマホやインターネットに接続されたデバイスを通じて国際送金を簡単かつ安全に行えるようにするもので、新時代の国際決済を実現します。SWIFTのこれまでの国際通信ネットワークは時代遅れとなり、早期に新システムの構築が望まれていました。
BISイノベーションハブ代表であるブノア・クーレ(Benoît Cœuré)氏は「ネクサスは決済システムのためのインターネット・プロトコル(IP)に相当するものの実現に努めてきた」とコメントしました。またMASの最高フィンテック責任者であるソプネンドゥ・モハンティ(Sopnendu Mohanty)氏は「イノベーションハブは、国内向けの高速決済システムの間を直接接続する強化手段を通じて、国境を越える支払い送金のコストの大幅削減に努めてきた」と語りました。
「SWIFT Go」は中小企業の海外決済も支援
「SWIFT Go」では、中小企業をはじめ消費者個人が友人や家族に素早く、安全確実に透明性をもって海外送金することが可能になります。ネットワークはすでに、スペインのBBVAやニューヨーク・メロン銀行(BNAメロン)、ノルウェーのDNB、マレーシアのMYBank、ロシア貯蓄銀行(Sberbank)、フランスのソシエテ・ジェネラル(Societe Generale)、イタリアのウニクレジット(Unicredit)が加入しています。
SWIFTはこの数年、ネットワークの見直しを徐々に進めてきました。業界観測筋によると、その技術成果であるSWIFT GoはXRPの主要な競争相手になる可能性が大きくなっています。
参考
・SWIFT Launches SWIFT Go, a Fast, Cost-Effective Service for Low-Value Cross-Border Payments
・BIS Innovation Hub and Monetary Authority of Singapore publish proposal for enhancing global real-time retail payments network connectivity
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参照元:CoinChoice