DeFi(分散型金融)の重要なトレンド 資本効率性の高いAMM型分散型取引所の模索

DeFi(分散型金融)の重要なトレンド 資本効率性の高いAMM型分散型取引所の模索
DeFi(分散型金融)のエコシステムは早い速度で発展しています。現在のDeFiの主要なトレンドの1つは資本効率性の高いAMM型分散型取引所の模索です。

従来のAMM型分散型取引所の課題

DeFiのエコシステム全体の中でも最も主要な機能と言える分散型取引所は、ユニスワップ(Uniswap)に代表されるAMM型と呼ばれるものでした。AMMでは、流動性提供者がスマートコントラクトの流動性プールに資金をデポジットして流動性をつくり、その流動性を利用して取引したい人はトークンの交換ができるという仕組みです。

Uniswapでは、流動性提供プールに提供されている2つのペアのトークンの在庫を、「x*y=K」の計算式に基づいて取引したい人に価格を提示するシンプルな仕組みでした。Uniswap以後もさまざまな分散型取引所が基本的にはこの形式を採用することが主流でした。
しかし最近になって、多くのAMM型の分散型取引所に発展を求めるようになりました。x*y=Kの計算式のままより効率性の高い仕組みを実装したり、異なる価格決定ロジックのものが生まれています。

その理由はさまざまですが、最も大きな理由は、これまでのAMM型の場合、取引需要に対してスプレッドが少ない価格提示をするために必要な流動性の総量が大きく、資本効率性が悪いことが挙げられます。もう少し詳しく説明すると、AMM型分散取引所では流動性プールに在庫があるにも関わらず取引には使用されないトークンが相当量滞留することになるので、それを有効活用したり少ない資本で効率的な価格提示ができなかという取り組みが目立ち始めました。

続々と登場する資本効率性の高いAMM型分散型取引所

代表的なものでは、Uniswapは最新のバージョンであるv3で、集中流動性提供という概念を新しく提供しました。v3ではUniswapに流動性を提供する時に、どの価格帯で流動性提供を行うかを指定することができるようになります。集中流動性提供では例えば、ETH/DAIのペアでETHが1800DAI-2000DAIの幅のみで流動性提供を実行するというようなことが可能になります。

これによるユーザーにとっての重要な変化は、価格帯を狭めることで少ない資本で効率的な流動性提供が可能となり手数料報酬の増加を狙えるようになったことです。そしてプロトコルにとっても少ない資本で大きな流動性を見込めることになります。

Uniswap v3以外にもこのような取り組みが目立っています。また、Balancer v2ではAsset Managerという機能が導入され、Balancerにプールに提供されている流動性の一部をレンディングプラットフォームに提供することで利回りを獲得し、資本の効率性を高める役割を果たします。

Curve v2では、「x*y=K」の計算式に基づかない形式で集中流動性提供する概念を提唱しました。取引が起きた価格の移動平均を内部オラクルとして持ち、そのオラクルに基づいてprice scaleが決定され、流動性提供者の資本はそのprice scaleに集中するというものです。ここで挙げたUniswapとBalancer、Curveは分散型取引所の中でも最も主要なプロトコル群ですが、これらもシンプルな流動性プールプロトコルから移行を始めており、資本効率性の高いAMM型分散型取引所は明確なトレンドであると言えます。

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参照元:CoinChoice

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