Ocean Market(オーシャンマーケット)にはどのようなデータセットがあるか?
(文:Maki@仮想通貨ママコイナー)
トークン化したデータ売買をするプロジェクト、Ocean Protocol(オーシャンプロトコル)には、すでにデータ売買の場所として「Ocean Market(オーシャンマーケット)」が存在しています。
ここで実際に売買されているデータにはどのようなものがあるのか、特徴的なもの・身近なものをいくつかピックアップしてご紹介します。
関連:オーシャンプロトコル(Ocean Protocol)とは?ブロックチェーンを活用したデータマーケットプレイス
Ocean Market(オーシャンマーケット)とは
まず、「Ocean Market」は上述のとおり、オーシャンプロトコルのプロダクトとしてリリースされたデータ売買の場所(マーケットプレイス)です。
誰もが自身の持つ情報を売買できるほか、従来ではプライバシーの問題で売買できなかったようなプライベートデータも、安全な形で売買できる仕組みになっています。
まだベータ版ではありますが(2021年6月25日現在)、すでに多くのデータセットが売買されており、300以上の貴重なデータが公開されています。
種類豊富なデータセット
どのようなデータセットが実際に売買されているのか、実際にOcean Marketで売買されている内容をいくつかピックアップしてご紹介します。
Swash
Swashとは、インターネットブラウザー上で発生するデータを収益化できるというプラグインです。人々がインターネットを見るとき、検索した内容や閲覧した内容などあらゆることが貴重なデータになりますが、こうしたデータをもとにインターネット広告ビジネスが行われます。
自分のあずかり知らないところで勝手にデータを収集され、ビジネスに活用されているというのは良い気分ではありませんし、プライバシーの問題にも関わります。そこで誕生したのが、Swashです。
このプラグインはGoogle Chrome(グーグルクローム)やMicrosoft Edge(マイクロソフトエッジ)などのブラウザで利用でき、発生したデータは自分のものとして収益化できるほか、ブラウザーの外部でデータを共有する場合には自分で売買などの意思決定が可能です。
データユニオンの存在
Swashのデータは「データユニオン」に送られ、Swashの運営チームが集計や販売などの工程を担います。データユニオンとは、直訳すると「データ連合」という意味で、ここに参加する人が増えるほどデータ量も当然多くなり、価値が大きく貴重なものになります。
データユニオンのメンバー数は現在5,157(データは2021年2月1日更新)にのぼり、世界中に点在していることからさまざまなデータを効率良く得られるのが特徴です。
Swashのデータセット内容
Ocean Marketで売買されているSwashデータセットの内容は、次の通りです。
- 検索のトレンドデータ
- 通販の消費者データ
- 主要ニュースサイトのユーザーの閲覧内容
- SNSのユーザーデータ
- ユーザーがアクセスしたドメイン
など、Webマーケティングなどに活用できるデータが販売されています。また、今後は新たなパートナーシップの予定やデータカテゴリー、モバイルデータにも手を伸ばすとしています。
次に、Swashのほかにも売買されているデータセットのうち、人気のものをいくつかご紹介します。
Amazonに関するデータセット
アマゾンの膨大な商品の中から、さまざまな情報をデータ化したものが売買されています。
人気の商品を各カテゴリごとに100種類ずつまとめたデータは、OceanMarketの中でも特に注目されているデータセットです。
- ブランド名や商品名
- 商品の画像
- 価格
- レビュー数や評価内容
- 肯定的なレビューの割合
- アマゾンプライムの対象商品かどうか
などの情報が含まれており、eコマース事業やマーケティング事業を行う企業にとって需要の高いデータになっています。アマゾンと同じく世界規模のマーケットプレイス「eBay」の商品に関するデータセットも人気です。
環境に関するデータセット
欧米を中心に活発な議論が行われている環境問題ですが、各国・地域におけるCO2排出量に関するデータセットや再生可能エネルギーに関するデータなどが多く売買されています。
- コペンハーゲン市の過去数年間のCO2排出量データ(英語翻訳)
- オランダのCO2排出量データ
- ドイツの風力タービンに関するデータ
たとえば風力タービンのデータは、今後別の場所で風力発電を行うにあたり、騒音レベルや周辺地域の住宅・土地価格への影響を想定したり、適切な風力タービンを用いるためのメーカーのベンチマーク推定に役立てたりできます。
医療に関するデータセット
29歳の男性が、自身の病気や遺伝子に関する情報を販売しています。指定難病のクローン病と強直性脊椎炎と診断されたこの男性は、自己免疫疾患や遺伝学との関連を研究する医学研究社に向けたデータを公開しました。
他にも、複数の患者の冠状動脈画像をまとめたデータセットや、医療関係者向けに研究や勉強に利用できる症例別のデータセットなどもあります。
このようなデータは患者のプライバシーに関わる内容のため、本物の病院の記録と同様の形で、なおかつ個人を特定できる情報などは含まれない状態で利用できるのが特徴です。
暗号資産関連のデータセット
2013年から2020年までの暗号資産のデータをまとめたものも人気です。毎日撮影されたスナップショットをはじめ、時価総額で見やすくランク付けされているため、トレーディング戦略を立てたり時系列の分析をしたりするなど、さまざまなユースケースが考えられます。
今後も増えていくデータセットに注目
Ocean Marketではこのように、Swashをはじめ多くのデータを売買できます。今後はOcean Marketだけでなく、その他のマーケットプレイスでもデータが売買できるようになると期待されており、Ocean Protocolが利用される場面が増えていくでしょう。
今回ご紹介しましたデータセットは研究やビジネスに役立てられるものでしたが、その他さまざまな活用ができそうな、ユニークなデータセットも登場するのではないでしょうか。
OceanMarketには常に新しいデータセットが登場しているため、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
【こんな記事も読まれています】
・オーシャンプロトコル(Ocean Protocol)が注目を集める理由とは?
・データのマーケットプレイスOceanMarket(オーシャン・マーケット)とは?
・Ocean Protocol(オーシャンプロトコル)のユースケース紹介「DOVU」
参照元:CoinChoice