BINANCE無許可営業の指摘「タイ・ケイマン諸島・シンガポール」でも
暗号資産取引所「BINANCE(バイナンス)」が、タイ証券取引委員会(SEC)、ケイマン諸島通貨局(CIMA)、シンガポール金融管理局(MAS)などから『ライセンス無しで運営している無登録の暗号資産交換業者』といった警告・指摘を受けていることが明らかになりました。ここ最近ではBINANCEに対して警告を発する事例が国際的に増加してきていますが、BINANCEは『バイナンスのサービスは常に分散型で運営されている』と説明しており、各国の規制当局と協力していることを繰り返し述べています。
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「タイ・ケイマン諸島・シンガポール」でも発表
BINANCE(バイナンス)は「豊富な暗号資産・サービスを取り扱っている世界最大級の暗号資産取引所」として知られていますが、同社は分散型運営という形式で複数の国のユーザー向けに仮想通貨取引サービスを提供しているため、ここ最近では複数の国の規制当局から「BINANCEに関する警告」が多数発せられています。
最近では「日本の金融庁がBINANCEに対して2度目の警告を発したこと」や「英金融行動監視機構(FCA)がBinance Groupについて消費者に警告を発したこと」などが報告されていましたが、今回は新たに「タイ証券取引委員会(SEC)、ケイマン諸島通貨局(CIMA)、シンガポール金融管理局(MAS)」などからもBINANCE関連の警告が発せられたことが明らかになりました。
タイ証券取引委員会(SEC)の発表
タイの証券取引委員会(SEC)は2021年7月2日に『ライセンスなしでデジタル資産ビジネスを展開しているとして、BINANCEに対して刑事告訴を行なった』との発表を行いました。
タイSECは『BINANCEはウェブサイトを通じて、タイの一般市民や投資家にデジタル資産の取引サービスを提供している』と指摘しており、『SECは2021年4月5日に書面による回答を求める警告書をBINANCEに提出したが、BINANCEは指定された期間内に回答を提出しなかった』と述べています。
公式発表の中では「タイでは法律に基づいてライセンスを取得した事業者のみがデジタル資産関連サービスを提供できる」ということが説明されており、このルールに違反した場合には「2〜5年の懲役、20万〜50万バーツの罰金、違反が続く場合には毎日1万バーツの罰金」などが課せられる可能性があると説明されています。
ケイマン諸島通貨局(CIMA)の発表
ケイマン諸島通貨局(CIMA)は2021年7月1日に『Binance、Binance Group、Binance Holdings Limitedはケイマン諸島で暗号資産交換業を運営するための登録・ライセンス・規制・その他方法による承認を受けていないことを一般に通知する』との発表を行いました。
CIMAの公式発表によると、一部報道では『BINANCEはケイマン諸島を拠点とする暗号資産取引所である』といった内容の報道がなされていたとのことで、CIMAはこのような報道について『BINANCEはケイマン諸島でライセンスを受けていない』ということを強調しています。
また今回の発表では『ケイマン諸島の当局は、BINANCEやBINANCE関連のグループ企業が当局の規制範囲内に入る可能性のある活動行っているかどうかを調査している』とも報告されています。
シンガポール金融管理局(MAS)について
シンガポール金融管理局(MAS)に関しては、複数の報道で『MASは2021年7月1日にBinance Asia Services Pte.に対して”厳重に監視すること”を発表した』と報じられています。
複数メディアに引用されている「Bloomberg」の報道によると、「Binance Asia Services Pte.」はシンガポールで事業を行うためのライセンスを申請しているとのことで、シンガポール当局は『BINANCEが他国の規制当局から警告を受けていることを認識しているため、必要に応じてフォローアップする』とコメントしたと報じられています。
「Bloomberg」の報道では『Binance Asiaは独立した法人であり、Binance.comのウェブサイトやBinance Markets Ltd.を介して製品やサービスを提供することはない』とも説明されており、BINANCEが『私たちはコンプライアンスの義務を真剣に受け止めており、規制当局と協力して協力的なアプローチを取っている』とコメントしていることなども報告されています。
BINANCEは「分散型」の形で運営
BINANCE(バイナンス)の拠点に関しては、仮想通貨コミュニティの間で「マルタ共和国」や「ケイマン諸島」などといった複数の意見が囁かれているため一部では誤解も生まれていますが、BINANCE側は以前から『BINANCEは各国の規制・コンプライアンスを重視しながら”分散型”の形でサービスを運営している』ということを説明しています。
2020年2月にはマルタ当局が「BINANCEはマルタ国内での運営を許可されていない」と発表したことなども話題となりましたが、BINANCEのCEOであるChangpeng Zhao(ジャオ・チャンポン)氏はこの時の報道について『Binance.comはマルタに本社を構えたり、運営を行ったりしていない』とツイートしており、BINANCEのサービスは分散型自立組織(DAO)の実現に向けて分散化された状態で運営されているということを説明しています。
また「コインテレグラフ」の報道によると、BINANCEの広報担当者はコインテレグラフに対して『BINANCEは常に分散型で運営されている』とコメントしたとも報告されているため、現時点でBINANCEは特定の国に本拠地を構えているわけではないと考えられます。
なお、BINANCEは資金洗浄対策などの取り組みも行っており、先月30日にはコンプライアンス体制の強化に向けた継続的な取り組みの一環として、ブロックチェーン分析企業「CipherTrace」によって作成された「Traveler」と呼ばれる資金洗浄対策ツールを導入したことも報告されています。
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