仮想通貨に投資する若年層がますます増えている理由とは?
暗号資産(仮想通貨)の投資家に変化が目立ち始めています。機関投資家がビットコイン(BTC)への投資を増やして事実は別にして、投資家の年齢層がますます若くなっていることが注目されているのです。
2008年をピークとする米国の金融危機を中心とするグレート・リセッションを経験した後、米国などの若年層の間で金融機関や市中銀行を信用しない風潮が強まり、仮想通貨が注目されています。
仮想通貨に目を向る典型的な若者の感覚
若年層は株式や法定通貨への関心が徐々に薄れ、代わって仮想通貨に目を向けています。ブルームバーグ(Bloomberg)によると、ミレニアム世代で19歳のマルコ・ヴリセビッチさんは、新型コロナウイルスの影響で仕事を失い、仮想通貨やETFに投資して成功を収めました。例えば彼は、ビットコインマイニング企業のアルゴ・ブロックチェーン(Argo Blockchain Plc)に投資して、1年で1400%の利益を生みました。
彼はインタビューで、「価格の変動に目を向け始めたころは、(神経を興奮させる)ドーパミンラッシュのような気分になったが、テクノロジーを理解して、どのように世界を変えているかをさらに深く学べば、技術革新だけで利益を生む大きなチャンスになりうることを知った」と語っています。
彼はさらに、「銀行がお金を貸す仕組み、誰が貸してくれるのか、あるいはリスク管理の意味でどのように運用しているのか、われわれは何も知らない」と語ります。市中銀行の最大の問題の1つは、その銀行業務については全く知らず、顧客の資金をどのように処理・管理しているのか全く分からないというのが、彼の不満です。
若者にとって仮想通貨のボラティリティは魅力的
ニューヨーク大学の経営大学(MBA)であるスターン・スクール(Stern School)の金融主任であるデビッド・ヤーマック(David Yermack)教授は、ヴリセビッチさんのような若者は、主要な「将来のビットコイン投資家」であると評し、彼のような若者は仮想通貨の最も活発な投資家になると次のようにコメントしています。
「典型的な仮想通貨投資家は、若者であり、男性だ。その意味するところは、彼らは中間層の投資家よりはるかにリスクを取ることに躊躇しないことである。仮想通貨のボラティリティは、彼らを動揺させることはなく、むしろ多くの若者にとって魅力の一部となっている」
ミレニアル世代は投資家の重要な構成要素とJP モルガンが分析
JPモルガンは2020年10月、仮想通貨が金(ゴールド)に代わる通貨になろうとしているとの文書を発表しました。同社はまた、ミレニアル世代が仮想通貨の発展に重要な役割を果たしていることを強調しています。
同社はその中で、ビットコイン(BTC)が金より大きな利点があることを認め、ミレニアル世代がビットコインの受け入れで大きな役割を果たすだろうとして、「ビットコインが持つ長期的に見て潜在的な上昇要因は、代替通貨として金より競争力があると見られていることあり、そうならばミレニアル世代はやがて投資家の世界で最も重要な構成要素となるだろう」と述べています。
ミレニアル世代の役割についてはこれまでも指摘されてきましたが、JPモルガンがそれを確認したことは興味深いことです。ミレニアル世代は2008年の世界金融危機の時代に育ち、銀行の役割を軽視、代わってビットコインを金融独立の強力な後ろ盾として見るようになっています。
参考
・Crypto’s Young Believers Stoke a Craze for Bitcoin Penny Stocks
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参照元:CoinChoice