PayPalのビットコイン(BTC)対応は生活者の行動を変えうる可能性も
ペイパル(PayPal)が暗号資産売買に対応することを発表しました。同社が展開するモバイル送金アプリのヴェンモ(Venmo)でも利用できるようになるとのことが明らかになっています。
アプリ外部へビットコインの送金はできないものの、購入と売却と保管ができるようになるといいます。これはスクエア(Square)のCashアプリと同様のアプローチです。
送金アプリにビットコインが入るように
恐らく米国のP2P送金アプリには、ビットコインが当たり前にインテグレートされるようになるでしょう。既に対応をしているCashと今回発表されたVenmoで既に大部分をカバーしています。2社が対応したことにより第三位のモバイルアプリであるぜル(Zelle)も対応するのではないかと予想されます。
送金アプリにビットコインが入ると、ユーザーの生活としては基本はビットコインで貯金して、買い物するときだけに少しだけ法定通貨に変えるということがしやすくなるでしょう。普段使ってる送金アプリの中でビットコインを持てるよになり、普段使っている法定通貨にすぐに換金できるため、なるべく法定通貨を持たない生活に最適化できます。
現在、米国ではドルの増刷によるインフレの懸念が企業や生活者に広まっています。アメリカのミレニアル世代がこぞって株式投資アプリに殺到することもその一環です。
インフレというタイミングで生活者の行動を変えうる可能性
アメリカの消費者物価指数を見てみましょう。消費者物価指数(Consumer Price Index)とは、米労働省労働統計局が毎月発表する統計で、消費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを把握するための統計指標です。また、国民の生活水準を示す指標のひとつとも言えます。米国のインフレ率を分析するための最重要指標です。
出典:アメリカ消費者物価指数
上記の図からはおおよそ1.5%が前年同月比でインフレーションしていることが理解できるはずです。つまり100ドル貯金をしたら1.5ドル分は実際的に損をしていると言っても過言ではなく、インフレーションは隠れた税金ともやゆされています。病院や教育費などの費用におけるインフレーション率は1.5%どころではなく、さら高いとされています。
米国ではこうした現状に嫌気がさす雰囲気が醸成されています。こういったタイミングでVenmoなどのモバイル決済アプリへのビットコイン対応は生活者の行動を変えうるでしょう。
普段使ってる送金アプリの中で低インフレ資産のビットコインを持って必要なときだけ法定通貨で決済すれば良いのです。その点において、これほど低インフレで決済性も高いアセットはビットコイン以外に存在せず、デジタルゴールドとしての地位をさらに固めることになるのではないかと思われます。
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参照元:CoinChoice