「証券はすべてトークン化できる」SEC委員長が前向きな発言
米証券取引委員会(SEC)のジェイ・クレイトン(Jay Clayton)委員長は、ジョー・バイデン新大統領の就任を機に交代するとのうわさが広がっています。同委員長がやり残した最も大きな課題は、ビットコインンETF(上場投資信託)の承認問題に決着がつけられなかったことでしょう。
クレイトン委員長はETFの承認に向けて最近、ビットコインETFなどについて前向きな発言をしています。同氏の進退問題は別にして、来年の政権交代を機にETF問題の決着の時期が迫っています。
SECのクレイトン委員長はETFのトークン化を歓迎
SECと通貨監督庁(OCC)は10月2日、デジタル資産の促進する擁護団体のChamber of Digital Commerceとブロックチェーン・スタートアップ企業Securrencyとの共催で開かれたウェビナー上で、仮想通貨とブロックチェーン技術の規制問題に関して見解を明らかにしました。クレイトン委員長は「効率を伴う方法でETFをトークン化するすべを理解している企業には、SECの門戸は広く開かれている」と語りました。
クレイトン委員長はさらに、ブロックチェーン技術の能力とすべての株式がトークン化されうる日について見解を示しました。同委員長は、20年前まですべての株式が株券で発行されていたものが、今日は電子化されているように、株式が将来に「すべてトークンで発行されることは十分ありうることだ」と語りました。同氏は現行の規制について仮想通貨とブロックチェーン技術の開発を支援するには不十分であることを認めました。
ビットコインETFはセキュリティトークンの1つか
トークン化された証券は、コスト安そして透明性があり、アクセスしやすく二次市場(流通市場)で取引できることから、大きな流動性を提供します。クレイトン氏は「これらすべてがトークン化されることは非常に優れたケースになるだろう」と語りました。
同氏はトークン化された証券つまりセキュリティトークン(Security Token)とは何かについて、さらに深く次のように説明しています。
「ネットワーク向けに資金を提供せず、人々にリターン(利益)を与えようと努めていなければ恐らく証券ではない。しかし、もし自前のトークンでネットワークに資金供給するか、もしくはネットワークを利用して自前のトークンで人々にリターンを供給することになれば、それは証券であることは自明である」
「SECはETFのトークン化を進める」OCC関係者
OCC会計監査役代行のブライアン・ブルックス(Brian Brooks)氏は、ブロックチェーンン技術を高く評価して、「ブロックチェーンは本質的にレジリエンスがあり効率的であり、関係当局はユーザーがビットコイン(BTC)価格変動に投機し、ブロックチェーンが『インターネットの金融』になるという将来のシナリオに『強い関心』を持っている」と語りました。
ブルックス氏は、仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)の元法務主任であり、仮想通貨とブロックチェーン技術に精通しています。同氏は多くの仮想通貨プロジェクトは「特定のニーズに対応しなければ失敗する」との考え方を示しています。金融規制当局者は従って、ステーブルコインのユースケースについて、「枠組み作りを進めるべきだ」と述べ、それによって決済システムの効率化が進むと述べています。
同氏はまた、特にETFのトークン化について言及して、「SECはそれを進めようとしている」と前向きな発言をしています。
参考
・All stocks may one day be tokenized: SEC Chairman
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参照元:CoinChoice