ステーブルコインテラ(Terra)のアップデート:Columbus4とHouston
今回は韓国を起点に利用が広がっているステーブルコインプロジェクトであるテラ(Terra)のアップデートについて紹介します。テラ(Terra)はCosmos SDKをベースにした独自ブロックチェーン構築されているプロジェクトです。プロジェクト概要についてはこちらの記事「テラ(Terra)とは?急成長するステーブルコインプロジェクト」で紹介しています。
テラ(Terra)の注目キーワードはスマートコントラクト
テラ(Terra)は10月3日、Columbus-4 (コロンブス4) と呼ばれるメインネットローンチを発表しました。今回のコロンブス4と次のコロンブス5のアップグレードで大きくプロジェクトが前進します。まずColumbus4ではスマートコントラクト機能が追加されます。
少し技術的な話になりますが、CosmWasm(コズムワズム)というCosmos SDKベースのブロックチェーンでスマートコントラクトを扱えるようにするモジュールが存在し、テラ(Terra)もこれを採用しています。このおかげで今までよりも柔軟にプログラマブルなお金を扱うことができるようになります。
またその先に予定されているアップデートのColumbus-5では、他の複数のブロックチェーンとのメッセージバスを作成するためのShuttle(シャトル)ブリッジモジュールというものが追加され、これによってさらに相互運用性が高くなることが期待されています。シャトルとColumbus-5の詳細については今後発表される予定です。
テラ(Terra)でスマートコントラクトを扱えることによるメリットはどこにあるのでしょうか?また少し技術的な話になりますが、テラ(Terra)がCosmWasmと統合することで、ユーザーはさまざまな言語で独自のWASMベースのスマートコントラクトを書くことができ、分散型アプリケーション(DApps)や今盛り上がっている分散型金融(DeFi)でテラ(Terra)のステーブルコインを活用することが可能になります。
また、Columbus-4でのスマートコントラクト機能の追加にあたってはサーティーケー(CertiK)という企業による監査を受けています。CosmWasmスマート契約の監査ではとくにクリティカルな問題は見つからず、「全体的にTerraチームはプロジェクトの仕様をコードにしっかりと実装している。非常に高い水準で言語が使用されており、ユニットテストのコードカバレッジも良好です。SDKの仕様もフレームワークの要件を十分に実装しており、同じことがCosmos WASMの実装にも当てはまる」という評価を得ています。監査の詳細はこちらから見ることができます。
開発者向け環境のHoustonとは?
また、10月12日にはTerraをより開発者フレンドリーにすることを目的とした、ヒューストン(Houston)のベータ版がローンチしました。これにはTerraの開発環境、テストフレームワーク、スマートコントラクトパイプラインが含まれます。
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Houstonが備えている機能には、下記のようなものがあります。
- 内蔵のスマートコントラクトのコンパイル、リンク、デプロイメント、wasmバイナリ管理
- カスタムビルドプロセスをサポートする設定可能なビルドパイプライン
- スクリプト可能なデプロイと移行フレームワーク
- Terra のパブリックおよびプライベートネットワークにデプロイするためのネットワーク管理
- 開発中のWebassemblyバイナリの即時再構築
- コマンド
スマートコントラクトが実装できるようになり、さらに開発者向けの環境も充実しつつあるテラ(Terra)の世界がこれからさらに広がっていくことに期待できます。
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参照元:CoinChoice