米国でデジタルドル開発急速に進む、電子署名修正法案審議へ

米国でデジタルドル開発急速に進む、電子署名修正法案審議へ

米連邦準備制度理事会(FRB)がデジタルドルの事業計画を発表(5月30日)して以来、準備は各方面で進んでいますが、今回はブロックチェーンベースのデジタル署名を合法化する新しい修正法案が下院に提出されました。

共和党が電子署名修正法案提出、デジタルドル発行の道開く

米共和党下院議員のデービッド・シュワイカート(David Schweikert)とダレン・ソト(Darren Soto)両氏は10月2日、下院エネルギー・商業委員会に「世界および国内商業における電子署名修正案」を提出しました。

同法案はデジタル署名とスマートコントラクトを合法化する共通の基準を設定するものです。採択されれば、署名を必要とするすべての事業に適用されて、利用が可能になります。

FRBは米中央銀行デジタル通貨(CBDC)と呼ばれるデジタルドルの発行に向けて、現実的な取り組みを開始しています。ブロックチェーン・ニュースサイトのCoinIdolによると、FRBは現在、政策策定とリスク評価について作業を進めています。FRBは同時に、CBDCに対する最適なソリューションを明確にするため、さまざまな技術とプラットフォームをテストしようとしています。

FRBがCBDC発行に向けたテスト開始 連邦準備銀行も協力

暗号資産(仮想通貨)に厳しい政策を採用してきた米証券取引委員会(SEC)ですら、今やそのスタンスを和らげ始めています。SECのジェイ・クレイトン委員長はウェビナーで、証券および透明性に関する原則は曲げられないにしても、分散型金融の革新に反対しないとの見解を示しています。

このような環境の中で、FRBはマサチューセッツ州などいくつかの連邦準備銀行と提携して、CBDCの基本政策とリスク評価を開始しています。FRBは技術ラボを発足させて、CBDCの開発に適した各種プラットフォームやソリューションをテストしています。

米国民はコロナ救済法でウォレット開設求められる

米国のCBDCの発行に関して、3月には民主議員がデジタルドル発行に伴って、「FedAccount(連邦準備制度口座)」を開設する法案を提出しています。

にもかかわらずクラウドマイニングサービスのジェネシスマイニング(Genesis Mining)の調査によると、米国民の約60%はデジタルドルの発行に否定的な態度を示しています。デジタルドルに賛成する人は24.8%に過ぎませんでした。しかし1年前の調査の13.3%と比べると、デジタル通貨への関心は大きく高まっています。一方、CBDCの導入に反対する人は19年調査で76.2%もありました。態度保留者も10.5%から15.3%に増えています。

調査が示すように、世界的に急速なデジタル化が進んでいる結果、米国民は法定通貨の実行可能な代替手段としてCBDCの可能性を徐々に認めるようになっています。

参考
The USA Is Going Online: First Digital Dollar, Now Digital Signatures
Digital Dollar Wallet to Each American: USA Plans to Launch its Digital Currency

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参照元:CoinChoice

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