分散型金融(DeFi)の爆発的人気もバブルの頂点はまだ見えない、その長短を探る(上)
エンジェル投資家のネイバル・ラヴィカント(Naval Ravikant)氏が9月13日ツイッターに、「暗号資産(仮想通貨)が好ましいカジノを生み出してくれたとウォールストリートが気づいた時こそ、DeFi(分散型金融)の新たな大波が到来する」と投稿しました。
特に今年に入って爆発的人気を博しているDeFiが、本物のデジタル金融プラットフォームなのかどうかについて上下の記事で掘り下げてみました。
3カ月間にDeFiの仮想通貨総額は5倍の44億ドルに
格付会社ワイスレーティング(Weiss Ratings)が配信している投資ニュースレター「ワイスクリプトインベスター(Weiss Crypto Investor)」(8月号)には、DeFiについて以下のような記述があります。
「DeFiは基本的に、ブロックチェーン上で金融資産を貸し借り、取引するものである。主たる相違点は、銀行、ブローカー、株式市場などトランザクションの分け前を受け取る伝統的な仲介者がいないことである」。
「従来の実店舗の銀行やブローカーなどが提供するサービスよりコストも時間も少なくて済むサービスとして、DeFi今やものすごい勢いで成長しています」。
下図のように、さまざまなDeFiプラットフォームの中にロック(保管)されている担保付貸付およびレバレッジ取引のドル評価資産総額(TVL:トータルバリュー・ロックト)は、過去3カ月(5月11日ー8月7日)の短期間に約9億ドルから44億ドルまで、ほぼ5倍にまで飛躍的に伸びました。
2年前続出したICOと今回のDeFi人気との相関関係は?
ワイスレーティング社はツイッター上に、「DeFiの爆発的成長と2年前のICOバブルとの相関関係を例にとるのは早計かもしれない、とコインデスク(Coindesk)は伝えている。その通りだ、DeFiバブルの頂点は、恐らくまだ見えていない」と投稿しています。
2017年12月、ビットコイン(BTC)が2万ドルに達した史上初の強気相場が出現した際、その現象に乗って異常なほどのICO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)が続出しました。ICOプロジェクトのいずれも投資に有利な約束であふれていましたが、その多くは何の価値をもたらさず、現実世界での有用性はほぼゼロという結果に終わりました。
DeFiがウォールストリートに浸透するか否かが今後のカギ
DeFiはどうでしょうか?投資家はDeFiが提供する時には2桁にもなる利息に魅力を感じ見逃しません。その結果、DeFiの導入(adoption)と使用(usage)は急激に増える結果になっています。導入と使用は実は、暗号資産(仮想通貨)の世界にあっては長期的な成功を約束する最も重要な指標です。
さらにDeFiブームは、ベンチャーキャピタルやヘッジファンドの資金が仮想通貨に流れる好機でもあります。そうなれば、ビットコイン(BTC)の次の強気相場は、2017年のICOブームのそれとは比較にならないほど大きくなります。それを期待してかどうか、DeFiはウォールストリートに浸透し始めようとしています。
参考
・DeFi Is Better Than Wall Street
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参照元:CoinChoice