Terraとは?急成長するステーブルコインプロジェクト
今回は韓国発で急成長するステーブルコインプロジェクトであるテラ(Terra)について取り上げます。Terraの特徴は実際に支払いで用いられている点で、今後他の国でも影響力を強める可能性がある注目のプロジェクトです。
TerraとLUNAの2つのトークン
Terraは、ステーブルコインのプロジェクトであり、Eコマースでの決済手段としての活用を目指しています。Terraのミッションは「人々を毎日の決済に関する不透明な手数料から開放する」と定義されています。
Terra Moneyは、ステーブルコインのTerraトークンとそれを安定させるために存在するLunaトークンが存在します。Terra(厳密にはTerraSDR)を経由して米国ドルとペッグしたTerraUSD、韓国ウォンのTerraKRWなどの各法定通貨に対応したステーブルコインが発行される仕組みになっています。つまり、Terraはあらゆる法定通貨のステーブルコインを生成できるプロトコルです。
このようなステーブルコインのような安定通貨と、それを安定させるために存在するもう一つのトークンがセットになって設計されているプロジェクトは、他にメイカーダオ(MakerDAO)、リブラ(Libra)、シンセティクス(Synthetix)などが存在します。Terraも同様のデュアルトークンモデルでありながら、モデルはMakerDAOなどとはまた異なります。
またTerraは、Binance LabやOKEX、Huobi 、Polychain Capitalといった大手取引所や著名クリプトファンドが多数投資をしていることで注目されています。2019年4月にメインネットがローンチして、現在ECサイトの支払いなどを主にユーザー数を伸ばしている他、DeFi(分散型金融)のアプリケーション開発なども進められています。
Terraステーブルコインの仕組み
Terraの設計はやや複雑です。以下にプロジェクトの特徴をまとめてみました。
- 複数の通貨をサポートする仕組み(USD, EUR, CNY, JPY, GBP, KRW, IMF SDR)
- ステーブルコインの価格を安定する方法は、担保型ではなくシニョレッジシェアを応用した手法
- グローバルのEコマースで使用できるペイメントを意識したステーブルコイン
- 実装はイーサリアム上ではなく独自ブロックチェーン上で行われている。COSMOS SDKを使用しており、トランザクションは秒間1,000を処理できる
- 独自ブロックチェーンのブロック生成を行うノードはLUNAトークンをステーキングしてコンセンサスに参加し、そのためのインセンティブ設計がされている
- 発行の手法には透明性があり、非中央集権制を標榜している
ステーブルコインを価格安定させる仕組みについて簡単に説明すると、独自ブロックチェーン上で複数の法定通貨をサポートしていることがまず挙げられます。また、MakerDAOなどの他のステーブルコインとの大きな違いは、特に日常決済での使用に最もフォーカスしている点で大きく異るでしょう。
TerraはECサイトや送金で実際に使われ始めている
暗号資産やステーブルコインが日常決済で使われることを、多くの日本のユーザーは想像できないかもしれません。しかし、Terraは韓国のECサイトを中心に実際に使われ始めています。
TerraはCHAIという独自のモバイル決済アプリをリリースしています。
また、サードパーティーのパートナーとしてモンゴルのメッセンジャーアプリであるMeme Chatと提携して、同アプリ上から決済できるMeme Payをリリースしています。
執筆の8月時点で同ブロックチェーン上のデータを参照すると、直近30日で約14億円相当の韓国ウォンのステーブルコインがトランザクションされています。このデータは、厳密には全て決済での利用されたものではなく、ブロックチェーンのトランザクション数ですが、利用が高まっていることが分かります。
また、下記の図はモンゴルの通貨トゥグルグ(MNT)のステーブルコインでこちらも直近1か月のトランザクション数が増加しています。
参照:https://station.terra.money/
今後もTerraについてさらに詳しく解説しますが、興味のある方はウェブサイトやオンラインコミュニティをチェックしてみてください。
プロジェクトをもっと知るには
日本語Discord:https://discord.gg/SPXxnuu
Twitter:https://twitter.com/terra_Japan
公式サイト:https://terra.money/
ホワイトペーパー:https://terra.money/static/Terra_White_Paper.pdf
参照元:CoinChoice