実用化のフェーズに入ったイーサリアムのレイヤー2、ユーザー向けサービスも多く登場

実用化のフェーズに入ったイーサリアムのレイヤー2、ユーザー向けサービスも多く登場

実用化のフェーズに入ったEthereumのレイヤー2

イーサリアム(Ethereum)をはじめとしたパブリックブロックチェーンは取引処理能力に限界があることは広く知られている通りです。結果としてブロックチェーン上のアプリケーションである分散型取引所や分散型金金融などのアプリケーションで画期的なものが登場しても、その処理性能の限界によって利用者の伸びが頭打ちになるケースがありました。

これに対して、レイヤー2ソリューションはイーサリアム本体ではなく、一部の処理をオフチェーンで処理することによって、イーサリアム本体に負荷をかけることなく、トランザクションを処理する方法を指します。ビットコインではライトニングネットワークが有名で、イーサリアムには古くはRaiden Networkがあり、最近ではPlasmaやRollupが注目されています。

これらレイヤー2は2015-2018年は研究開発期であり、昨年2019年にはプロトタイプが多く出てきました。そして恐らく2020年から3年間は実用化のフェーズとなるでしょう。2020年に入り、ユーザー向けのアプリケーションが多く出ています。

ユーザー向けサービスも多く登場

Synthetix

Synthetixは金や法定通貨などあらゆる資産を暗号資産担保によるトークン化をするプロジェクトです。このプロジェクトがレイヤー2で高速なトレード体験を実現しようとしています。開発に協力するのは、Plasmaの開発グループであったPlasma Groupのメンバーによって設立されたOptimism社で、Optimistic Rollup・OVMという技術を用います。

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出典:SYNTHETIX

OVMを使うことで取引コストの削減とレイテンシーの短縮の効果が期待でき、いずれも20倍~100倍程度の改善が見込まれています。

Loopring

Loopringもレイヤー2ソリューションを積極的に開発・利用しています。こちらも分散型取引所でありながら、高速なトレード体験を構築するというものです。

取引手数料は現時点でメイカーは0%、テイカーは0.1%と比較的安い価格となっています。取引はzkRollup(ゼロ知識証明)でまとめて処理されるため、取引ごとに手数料がかからないのが特徴です。またzkRollupの導入によりTPSは安定して100を達成できると主張しており、イーサリアムメインネットの10前後を大きく上回ります。

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出典:・Loopring

中央集権取引所より効率的な取引の場として選ばれる日も?

これらレイヤー2の分散型取引所が中央集権の通常の取引所とほとんど変わらずに、使用ができます。まだ現在では技術的興味関心が強い人がレイヤー2のアプリケーションを触ってみる、という段階ですが、この状況はあと1~2年で変わり始めるでしょう。

イーサリアム上には、さまざまなレンディングプロトコル、取引プロトコルが存在し、これらを組み合わせることで、場面次第で中央集権取引所より効率的な取引の場としてブロックチェーンネイティブな分散型取引所が選ばれるという日も近いのではないのでしょうか。

参考
The Synthetix.Exchange L2 demo is now live on OVM!
Loopring Launches zkRollup Exchange: Loopring.io

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参照元:CoinChoice

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