バイナンスコイン(BNB)の今後の価格動向は?価格に影響する直近のイベントを振り返り
バイナンスコイン(BNB)は世界で最も影響力が大きい取引所バイナンス(Binance)の独自トークンです。独自トークンの時価総額が大きいばかりでなかく、同社の新しい取り組みは毎月のように行われることから注目度は高いです。本コラムでは、3月後半から執筆時点にかけてのBNBの価格に影響するイベントを振り返ります。
新しい独自ブロックチェーンBinance Smart Chainの発表
2019年4月にBinance Chainがローンチし、その上でBinance DEXが稼働しました。しかし、この独自ブロックチェーンはDEX(分散型取引所)に最適化されており、スマートコントラクトの開発ができない背景があります。Binacenは4月17日「Binance Smart Chain」のホワイトペーパーを発表しました。今回構想を発表したBinance Smart Chainは、Binance Chainと並列して存在する2つ目の独自ブロックチェーンとして公開される予定です。主な要点は以下の通りです。
- EVMと互換性があり、既存のイーサリアム(Ethereum)ツールのすべてをサポート。Ethereumのアプリケーションの移植を容易にしている
- Binance Chainとの相互運用性ができる
- トランザクションを検証するバリデータは21で構成される
- BNBのステーキングをしてブロックを生成するバリデータが選出される
Binanceほど大きな影響力を持つプレーヤーがEthereumの互換ブロックチェーンを構築する場合、アプリケーションの移行は多かれ少なかれ起こるでしょう。そしてBNBの価格に直接的な影響を与えるものはBNBのステーキングです。
実現するとBNBを保有してインカムゲインを得るという選択肢が生まれるため、この構想が具体化されると、BNB価格上昇の余地があるでしょう。
BNBの四半期に一度のバーン、2020年3月期は過去最高を記録
BNBは四半期に一度バーンをするイベントがあり、これは同トークンの価値の大きな下支えとなっています。元々は利益の20%をバーンするというモデルでしたが、現在では現物取引ボリュームの出来高に応じてバーンするという表記にホワイトペーパーが変更されています。このバーンの量は、2020年3月期は過去最高を記録しました。5250万ドル(約60億円)のBNBがバーンされました。全供給量の1.69%がバーンされ、BNBの供給量はデフレーションしています。
出典:11th BNB Burn | First Quarter Highlights and Notes from CZ
このバーンはBinanceが市場から購入してバーンしたか、自己保有分からバーンしているか定かではないですが、供給量のデフレーションは基本的にポジティブなニュースであると言えるでしょう。供給量が減り、今後目論見どおりにステーキングなど新しい用途でBNBの需要が大きくなる場合、価格に与える影響はあると言えます。
参考
・Binance Chain Community Releases Whitepaper for Enabling Smart Contracts
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参照元:CoinChoice