バイナンス(Binance)がオプション取引を開始、投資戦略として有効な利用方法は?
Binanceがオプション取引をスタート、オプション取引とは?
Binanceは4月にオプション取引の提供を開始しました。執筆時点ではモバイルアプリのみで提供されており、ウェブからは取引できません。
- あらかじめ決めた満期日(限月)までに、
- あらかじめ決めた価格(権利行使価格)で、
- 「買う権利(コール)」、または「売る権利(プット)」を、
- ○○○円というオプション価格で売買すること。(○○○円が市場価格で変動します。)
例えば5月1日時点でビットコイン価格が7,500ドルだったとして、5月末日にビットコインを8,000ドルで売る権利が取引されたりします。
Binanceのオプション取引の利用方法や特徴
Binanceのオプションはオプション取引ですが、上記で説明した一般的なオプション市場ではなくBinanceとの相対売買であることが特徴です。ユーザ側はCall/Putオプションの買い注文しか行えず、売り手は常にBinanceです。満期までの時間は、オプションの買い注文実行日時から以下の5通りとなっています。
- 10分後
- 30分後
- 1時間後
- 8時間後
- 24時間後
また、アメリカンタイプのオプションなので、満期を待たずに権利を行使することができます。権利行使価格は注文実行時のビットコインの価格です。加えて注文時にはプレミアムがつき、これがオプションを保有する手数料です。
これはつまりBinanceが利用者に相対で販売する金融商品です。利用する場合、前提として、オプション取引は多くの場合、売り手の利益となるケースが多いです。相場が短期間にとんでもない変動を見せた際に、買い手が大きな利益を手にし、売り手が大きな損失を抱えます。しかし、そうはならない場合、損失を抱えるのは買い手であり、この場合Binanceのユーザーです。そういった意味で使い所はよく考える必要があります。
投資戦略として有効な利用方法は?
では、投資戦略としてBinanceオプションの有効な利用方法はなんなのでしょうか?筆者が考えうる有効な利用シーンは、相場が急激に上向くと予想する時です。Binanceのオプションは、Binanceが恐らく常に売り手となっているため、いつでもオプションのロングを構築できる点がメリットであると言えます。そのような相場の局面において、以前から存在するデリビット(Deribit)のような市場では、常に十分な売り手が存在するとは限りません。Binanceのオプションの利用シーンはそういったタイミングにあるでしょう。
直近1年ほどでは、暗号通貨市場にビットコイン・アルトコイン先物、オプション市場などさまざまな金融商品が増えて、投資戦略にバリエーションをもたらしています。それぞれの市場を有効に使用する方法を見出して、自身の投資手法を確立できると有利に投資が出来るでしょう。
参照:
参考
・Here’s What You Need To Know About Binance Options
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参照元:CoinChoice