米国のリセッションがビットコイン(BTC)に与える影響は吉か凶か?

米国のリセッションがビットコイン(BTC)に与える影響は吉か凶か?

新型コロナウイルスが未曾有にまん延している米国は、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長が認めているように「リセッション(景気後退)に陥っている」可能性があります。米国のリセッションは、世界に波及する恐れが十分にありますが、ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)にはどのような影響を及ぼしているのか注目してみましょう。

新型コロナウイルスが歴史上最悪の大恐慌を招く恐れ

新型コロナウイルスがニューヨークはじめ全米に急速にまん延し始めた3月以来、米国経済は急激に悪化し、世界市場も大きな打撃を受け始めています。国際通貨基金(IMF)が4月14日発表した世界経済見通し(WEO)によると、2020年世界経済の成長率は1月当初予測の3.3%増から大幅下方修正され、前年比3.0%減と予測され、リーマンショックを上回り1930年代の世界恐慌以来最悪の景気後退になる可能性が出てきました。

ビットコイン(BTC)も例外ではなく、その価格は3月末に4,100ドル(約44万円)まで下落、2019年3月以来の下値を付けました。リセッションの影響で、米国の失業保険申請者は1,600万人を超えています。このような状況に対し3月26日には、景気浮揚のため2兆ドルという巨額の臨時支出が、上院で可決されました。

リセッションと金融刺激策を利してBTC価格にプラスの影響を与え

仮想通貨デリバティブのデルタ取引所(Delta Exchange)のパンカジ・バラニ(Pankaj Balani)最高経営責任者(CEO)は、ビットコイン市場が健全であるとの考えを示し、「今回の危機の大きな違いは、価格変動のスピードである。(2007年末から09年にかけて起きた)住宅ローン危機は5カ月にわたり続いたが、コロナウイルス危機は5日で発生した。だから景気回復もまた極めて速く起きるだろう」と述べています。

米国でビットコインは世界市場とともに3月初めに下落しましたが、バラニCEOはビットコインがリセッションから利益を得て、FRBが金融緩和など刺激策を導入した結果として、「通貨に圧力をかけ、中長期的にビットコインの価格にプラスの影響を与えた」と説明しています。

eTroのアナリストはインフレヘッジとしてのビットコインに期待

イートロ(eTro)の市場アナリストであるサイモン・ピータース(Simon Peters)氏は「FRBが無制限の量的緩和を発表したため、投資家は時を経ずして、BTCをドル安に対するインフレヘッジとして見ることができた」と語っています。同氏によると、投資家は半減期が1カ月後に迫っていることから、ビットコイン を売る気を起こさなかったようです。

景気後退が仮想通貨経済に悪影響を与えないだろう有力な理由は、中国がBTC採掘のハッシュレートを54%も独占している事実です。同氏は「われわれは最近の経済低調から立ち直るため、(中国による)採掘事業特にネットワークハッシュレートに期待することができる」と語っています。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
How would a US recession affect Bitcoin?

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参照元:CoinChoice

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