【インタビュー後編】オントロジー(ONT)の注力領域と今後
オントロジーファウンデーションのアンディ・ジ(Andy Ji)氏に中国のクリプト事情などについて聞いた前回のインタビュー記事に引き続き、インタビューの後編となる今回はオントロジーの今後の展開について聞きました。
【インタビュー前編】:オントロジー(ONT)のエンタープライズの動きと中国の戦略
オントロジーが今注力している領域は?
アンディ ・ジ氏: オントロジーは今3つのことにフォーカスしています。金融、協業ができる社会、そしてゲームです。一つ目は金融で、DeFi(分散型金融)はもちろん、どこかの企業がサービスを提供するCef (Centralized Finance)も含め力を入れています。
2つ目はコラーボレーションです。最近ではオントロジー上でマイクロワーカーズというちょっとしたタスクを依頼できるサードパーティプラットフォームとの提携を発表しました。マイクロワーカーズは人と人がコラボレーションするための場で、例えば日本のスタートアップが仕事を登録すればその仕事の興味があるヨーロッパの開発者がタスクをこなし、オントロジーの決済システム上で支払いをすることができます。オントロジーはこのプラットフォームの中で決済をスムーズに行うために使われているほか、オントロジーのDID(分散型ID)に紐づけて仕事をしてくれた人の評価をすることができ、評価の高いワーカーを簡単に探せるようになります。
3つ目のゲームについては日本ではgumiとパートナーシップを組んでおり、NFTを使ってアイテムを保管するウォレットやマーケットプレイスなどができればと思っています。NFTと言えばイーサリアムを連想されることが多いかもしれませんが、オントロジーででもNFTの発行が可能です。
今NFT Bookというものが構想されていて、例えばゲーム内の装備のアーマー(NFT)を手に入れるために、ゲーム内で5つのアイテムが必要だとしましょう。NFTbookで手に入れたいアイテムを探してクリックすれば、欲しいNFTアセットを入手するために必要なものがわかる攻略本的な機能と自分が持っているアイテムを確認できるデータベース的な機能があるサービスです。将来的にはさらに日本のゲーム企業との提携やコラボレーションを進めたいですね。
ロードマップ:次のアップグレード「アリストテレス」
さらに技術面では今年の第一四半期の終わりを目途にアップグレードが予定されています。オントロジーは哲学に関係のあるワードなので、次のアップグレードではアリストテレスと呼んでいます。
メインはビットコイン及びイーサリアムとのクロスチェーン取引、そしてEVMとの互換性と、ネイティブオラクルの実装です。オラクルはアプリケーションを開発してもらう上でも非常に重要な部分なので、まずはネイティブオラクルを開発して、Chainlinkにサードパーティベンダーとしてインテグレーションします。
また、オントロジーの組織としてはもっと成熟した組織になることが重要だと考えています。他より潤沢な資金を持っているプロジェクトも存在しますし、私たちは効率性の高い戦略を取らなければいけません。そのためビジネスを考え、現地のプロフェッショナルと協業しています。また、人々の生活に関わりのあることに取り組みたいとも考えているので、デジタル金融、ゲーム等にフォーカスしています。ブロックチェーンや新しい技術をこれまで取り入れていなかった企業ともまずPoCを行い、何ができるか知ってもらうことから始めています。
今後もオントロジーがコミュニティの利用者や企業にとってより使いやすいものになるよう、技術面でもエコシステム構築面でもしっかりと進めて行きたいと思っています。
参照元:CoinChoice