リップルの国際送金ソリューションODLがアジアや中東などに拡充へ
リップル(Ripple)がアジア太平洋(APAC)地域の国際送金問題を一挙に解決するかもしれないと注目されています。国際的な送金市場に関する限り、リップルは無視できない存在になり始めています。
リップルはまた最近、エジプト国立銀行(National Bank of Egypt/NBE)と協定を結び、世界第5位の送金市場でリップルのソリューションを活用することになりました。エジプトの送金額は、2023年には205億ドル(約2兆2,500億円)にもなると推計されています。
アジア太平洋地域の現金依存体質
リップルの送金ソリューションは、今ではオンデマンド流動性(On-Demand Liquidity/ODL)と呼ばれています。ちなみにODLは、リップルの送金ソリューションとして知られていたxRapidをアップグレードしたものです。
リップルによると、アジア太平洋地域の年間の海外送金総額はほぼ200億ドル(約2兆1,600億円)にもなりますが、送金上の最大の問題は、現金決済を好む長年の体質です。フィリピンでは、デジタル決済が導入されていますが、採用状況は低調であり、現金決済が依然として最も好ましい選択肢です。
タイも同様の傾向があり、デジタル送金の採用率は高まってはいますが、依然として現金の依存度は高く、支払いの90%を占めています。
リップルが年間2兆円の海外送金を処理するエジプト国立銀行と提携
アジア太平洋地域の動きと並行して今年2月、リップルはエジプト国立銀行(NBE)と国際送金分野で提携しました。NBEは1898年に設立された同国最大の銀行です。NBEのナヴィーン・グプタ(Naveen Gupta)氏によると、協定は中東・北アフリカ地域に参入するリップルの動きの一環であるとしています。
このような動きは、リップルが国際銀行間通信協会スイフト(SWIFT)や即時グロス決済(RTGS)など既存の国際送金手段との新たな競争の始まりかもしれません。リップルの最高経営責任者(CEO)であるブラッド・ガーリングハウス氏はたびたび、SWIFTから市場シェアを分け合う激しいい競争を予言してきました。
南米諸国の市場もリップル採用進む
エジプトとの協定は、リップルの国際送金市場での優位な立場を強化することになります。CBEの2017-18年次報告によると、SWIFT/RTGSはエジプトから約180億ドルの国際送金を処理しました。
リップルはこのほか、南米諸国の市場も重視しています。リップルは最近、米州の送金サービス会社International Money Express Inc.と業務提携しました。リップルのビジネスモデルは、これまでのところ極めて順調であると言えるでしょう。
参考
・How to Tap Rapid Growth in Asia-Pacific Remittances
・Ripple Could Take Billions From SWIFT Through National Bank of Egypt Deal
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参照元:CoinChoice