ビットコイン(BTC)採掘が苦境に、ハッシュレートが異常に上昇
ビットコイン(BTC)をマイニングする速度、つまりハッシュレートが新たな高みにまで上昇し、マイナー(採掘者)の採掘効率が落ち、ビットコイン採掘が困難になっています。加えて新型コロナウイルスがまん延、ビットコイン価格下落となっている現在、体力のない一部の仮想通貨事業所が、撤退に追い込まれる可能性さえ生まれています。
ハッシュレートは大幅アップ、採掘難易度が一挙に高騰
ビットコインマイニングは新たな困難に直面しています。大手マイニングプールのBTC.comによると、ハッシュレートは3月9日、過去最高の16.55TH/s(テラハッシュ/秒)に上昇しました。2週間前には、採掘難易度(Mining Difficulty)は0.38%下落した後、今回は一挙に6.88%上昇しました。つまり採掘難易度が上がったことで、マイナーは新たなブロックを生み出すことが難しくなっています。
一方、ビットコイン価格は、3月9日から10日にかけて一気に9%下落して、8,000ドルを割り込みました。1週間にして9%、2月25日の最後の難易度調整以後17%の大幅下落です。
blockchain.comのデーターによると、採掘難易度に対応して、ハッシュレートも大きく上昇しています。前月の難易度調整後、7日間の平均ハッシュレートは約9%上昇、3月7日には121TH/sまで上昇しました。ハッシュレートの上昇は、ビットコインネットワークがより確実に安定していることを意味するのと同時に、それだけマイニングが困難になって、1つのブロック生成に10分近く要することを意味します。
難易度が高まった3つの要因とは?
ハッシュレートがこのように上昇して、採掘難易度が高まっている要因は3つあります。
その1つは、新型コロナウイルスの世界的まん延という外的要因です。特に発症元の中国が採用した厳しい検疫措置が、企業と労働者に想像以上に大きなインパクトを与えています。マイニング機器大手のビットメイン(Bitmain)、カナン(Canaan)、マイクロBT(MicroBT)は、採掘機器製造の遅れを発表、出荷やマイナーの機器更新が困難になっています。プールの1つであるBTC.topは事業閉鎖にまで追い込またとの報道もあります。。
第2に、上記の最大手マイニング機器メーカー3社の発表によると、採掘機器更新が必要なマイナー市場が混乱に陥っています。新たな機器が購入できなければ、体力のあるマイナーだけがさらに業績を挙げることができるマタイ効果(Matthew effect)も加わって、その他多数のマイナーが落ちこぼれることになりかねません。
マイニング事業は米国など中国以外の諸国で有望に
そして第3に、ビットコインの半減期が5月末ごろに迫っています。今回の半減期は、利益の上がらないマイナーにさらに過酷な影響を与えかねません。そこで台頭するのが、中国以外のマイナーでしょう。ニューヨークにある火力発電所グリニッジ・ジェネレーション(Greenidge Generation)は最近、余剰電力を利用してビットコインのマイニングを開始、1日5.5BTCを採掘しています。
グリニッジの最高財務責任者(CFO)であるティム・レイニー(Tim Rainey)氏は「当社は熱電併給施設としての独自の立場から、低価格市場で利益を上げることができる。価格変動が大きいその利点を捉えることが可能になる」と分析しています。マイニング事業は最近、中国から北米などに拠点を移し始めていることを象徴するニュースでしょう。
参考
・Bitcoin Hashrate, Mining Difficulty Hit New Highs and Inefficient Miners
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参照元:CoinChoice